2009年3月30日月曜日

レイトン教授と不思議な町 フレンドリー版

レイトン教授と不思議な町 フレンドリー版
メーカー:レベルファイブ
2008年10月23日 発売
--------------------

--------------------
 ☆x5。細かいところで気になるところはあるが、全体としては文句なし。

 NINTENDO DSのレイトン教授シリーズの第1作目のフレンドリー版。基本的な流れは、パズル、クイズ、なぞなぞなどから出題される「ナゾ」を解きつつ、ストーリーを進めていくというもの。フレンドリー版はオリジナルのものと内容は同じで、感じによみがなが振ってあったり、多少操作性が向上したほか、オリジナル発売後に毎週配信されていた「週刊ナゾ通信」が最初から、収録されていることのようである。

 1通りクリアしてみての感想は、予想していた通り、或いはそれ以上に楽しめたという感じ。オリジナルの問題は勿論、古典的な超有名問題(又は、それらのヴァリエーション)なども多数出題されていて、ヒントなどを見ずに進めていけば、かなり解きごたえはある。

 全体のできには満足だが、難点を挙げるとするならば、ナゾの説明だけではそのナゾの意図するところが必ずしも十分に理解出来ない、何を求めているのかがわからないナゾがいくつかあったことだ。あまり細かく説明すると、それがヒントになってしまうという可能性もあるので、難しいところだと思うが、勘に頼って解く、というのはできれば避けたいと思う。

 こんシリーズのナゾを監修しているのは、「頭の体操」の著者である多胡輝氏による。今作を遊んでみて、この「なぞなぞ」というジャンルと、DSの相性の良さが予想以上だったことにまず驚いた。

 声優の二人がちょっとひどすぎるようにも思うが、慣れるとそれほどは気にならなくなった(ような気がする)。

 このシリーズは3作で終了のようだが、2009年秋に新シリーズの第1作が発売されるらしいので、それらにも期待したい。

第2作「レイトン教授と悪魔の箱 フレンドリー版
第3作「レイトン教授と最後の時間旅行(特典無し)

2009年3月28日土曜日

アンダカの怪造学X 空井伊依の伝説

アンダカの怪造学X 空井伊依の伝説
日日日 /カバーイラスト:エナミカツミ
角川書店
角川スニーカー文庫 S-185-10
平成21年3月1日 初版発行
ISBN:978-4-04-481011-5 C0193
319ページ
--------------------

--------------------
 ☆x4くらい。シリーズ全体を通じて面白かった。

 アンダカの怪造学シリーズ10作目にして、完結作。まあ、最終的にハッピーエンドで終わるだろうことは十分予想出来てはいたが、とりあえず一安心。物語としてもきちんとまとまり、各キャラクターともそれぞれあるべき形に収まったかなという印象。

 前日譚の「ジャンクガール・ジグ」の方が今後どうなるのか、という点も興味深いがこのシリーズがこれでおしまいというのも何となくもったいないようにも思う。

 しかし、第1巻目を書いたときが高校生で、現在までいくつも平行して作品を書いているというのも大変なこと、というか驚異的とさえ言えることだと思う。プロの作家とはいえ、86年生まれと言えばまだ、22、3くらいでそれをしているのだから、本当にすごいことだと思う。今後期待したい。

とある飛空士への恋歌

とある飛空士への恋歌
犬村小六:著 /森沢晴行:イラスト
小学館
小学館ガガガ文庫 ガい-2-6
2009年2月23日 初版第1刷発行
ISBN:978-4-09-451121-5 C0193
269ページ
--------------------

--------------------
 ☆x4くらい。不安だったが、一応期待は裏切られなかったので、ok。

 前作「とある飛空士への追憶」に続くシリーズの2冊目。これを読む前は少し心配していた。というのは、前作に対して非常にいい印象を持っていたからだ。前作はいろいろ稚拙なところはあると思うが、それ単独で非常にきれいな世界観を持って、きれいな終わり方をしていた。それだけに同じシリーズの作品で下手のものを読んでその良いイメージを傷つけたくはなかったのだが、今作は物語の舞台、世界観は前作と共通するものの、登場人物なども含めて、全く別の物語として1から読める。その点、単純に前作の続きとしなかったことが、今作で一番のポイントかもしれない。

 さて今作は、また1冊で完結するかと思って読んでいたら、終わらなかった。次の2冊目で完結なのか、それとももう少し続くのか今の時点ではわからないが、なんとかきれいな着地と、できるだけ早い出版を望みたい。

 それから、どうもシリーズとしてこの一連の作品は続くようなので(そう書いているわけではないが、イラストの森沢氏のコメントからはそう解釈出来る)、以降の作品にも期待したい。

 あとは、出来の悪いアニメ化などならないことを祈る。

2009年3月27日金曜日

水底の骨

水底の骨
アーロン・エルキンズ 嵯峨静江訳
早川書房
ハヤカワ文庫HM HM-299-7 HM-エ-3-7
2007年4月20日 印刷 /2007年4月25日 発行
ISBN:978-4-15-175107-3 C0197
407ページ
----------
Where There's a Will
by Aaron Elkins
2005
----------

--------------------
 2005年の12作目の邦訳版。ここ数作はほぼ1年に1冊のペースで刊行されている。初期には数年ごとだったので、かなり早いペースで出版されていることになる。

 作品のできとしては、かなり安定していると思う。どの作品を読んでみても、はずれというようなものに当たることは殆どない。それは、今作についても同様である。今回は、舞台がハワイ(確か、2度目)になっていて、これまでの作品と比べると、少しおとなしめ(殺人がリアルタイムで起きるのは1件だけである)になっている。しかし、だからといって、退屈させない出来となっている。

2009年3月24日火曜日

NHK名曲アルバムベスト30 別れの曲〜ピアノ名曲30選

NHK名曲アルバムベスト30 別れの曲〜ピアノ名曲30選
キングレコード
2008年9月10日
--------------------

--------------------
 長過ぎないのが良い。CD一枚に10曲、3枚で計30曲と割と手頃な感じで良い。最近はCDが5、6枚で100曲とか、そういうのが多くなっているので、これくらいの1枚聞くのに1時間かからずに聞けるものの方がちょうど良いように感じる。

 選曲については、超有名曲から、今回初めて聞いたようなのまで様々。演奏が特別に素晴らしいとかは特に感じなかったが、全体としてはまずまず良いのではないかと思う。

 一つ難をあげるとすれば、中に入っている解説書をもう少し気の利いたものにしても良かったと思う。せめて演奏されている各楽曲の原題とか、作曲家とか日本語だけではなく原語でも併記するなどしてほしいし、この音源がいつの録音なのかなども示しても良いと思う。勿論、CDを聞く分にはそれらの情報は無くても特別困ることは無いが、もう一歩進んで自分で調べて他のを聞いてみようと思ったときに、それらの情報があると便利だと思う。

 それからもう一つ、CDをPCに取り込むため、ディスクをいれた時にiTunesで表示された曲名等が[Disc 2]に限ってだけだが、NHK名曲のアルバムの別のCDの曲名が表示された(つまり、全然別の曲名とアーティスト)。iTunesの曲名表示が統一されていないのはいつものことだが、全然別物になるというのは流石に困るというか、もうちょっとなんとかしてよ、という気がした。

+1

+1
by 木村カエラ
コロムビアミュージック
2008年4月2日
--------------------

--------------------
 木村カエラの曲を普段から聴いているわけではないというのもあると思うが、全体的にあまり印象に残らなかった。以前、サディスティック・ミカ・バンドでやったNARKISSOS (初回限定盤)(DVD付)のような感じの方が良かったと思う。

遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか? the tohmi 'cutneck' case by ironic bomber

遠海事件 佐藤誠なぜは首を切断したのか? the tohmi 'cutneck' case by ironic bomber
詠坂雄二
光文社
2008年7月25日 初版第1刷発行
ISBN:978-4-334-92622-9 C0093
259ページ
--------------------

--------------------
 ☆x4.5〜5(前作『リロ・グラ・シスタ little glass sister』に対する評価も低かったようだが、前作も含めて個人的には満足出来る水準にあると思う)

 本書は2007年、『リロ・グラ・シスタ―the little glass sister』で、KAPPA-ONE登竜門を受賞した著者による作品。前述の作品の続編ではなく、単独の作品となっている。

 本作品は、86件もの殺人を告白し死刑になった、佐藤誠という人物が起こした殺人の中で、最も際立った特徴を持った遠海(=とおみ)事件を通じて、事件の真実、或いは彼自身に迫ろう、という意図のもと書かれた作品、という体裁を取っている。また、この作品の著者は犯罪学者で、それを小説家である詠坂雄二が文章を書く、しかもこの作品より前にもう1冊、同種の意図の下に書かれた作品がある(タイトルは「昨日の殺戮儀 yesterday's killer」勿論架空の小説で、実在はしない)、という設定となっている。

 この小説内でのタイトルの遠海事件そのものの扱いは必ずしも大きくはない。むしろ単なるステップという以上の意味はないと思う。本書の前半は確かに、遠海事件(遺体の首を切断した連続殺人(被害者は二人))を警察が調査する過程を書いているが、これといった証拠が挙がらずに、1年ほどで捜査本部は解散、後に、別の事件で自首してきた佐藤誠が告白する…という構成になっている。そして、そこから先に、仕掛けられた様々な仕掛けが効いてくるという感じになっている。

 前作においてもそうだったが、描かれている事件以外に、文章全体に仕掛けられた、もう一回り大きな仕掛けというのが、大きな特徴になっている。本作を実際の事件の犯罪実録小説という形を取っていることについても、その一つであるし、本の後ろに架空の前作「昨日のー」の架空の広告を入れるなど、その辺りの工夫、或いはこだわりが徹底されているのは、個人的には非常に好感が持てる。仕掛けられた数々の仕掛けのバランス感覚も非常に優れていて、最後まで楽しめる作品だと思う。

tears

tears
by 宮本笑里
Sony Music
2008年9月3日
--------------------

--------------------
 前作のsmileにも共通していることだが、非常に聞きやすい点が魅力であると思う。理由はいくつかあると思うが、一つは選曲のためだと思う。今回も、割とメジャーな曲から、あまりなじみのない曲まで、バランスよく選ばれていたと思う。それから、1曲1曲の長さが長過ぎず、適度な長さだというのも普段聞き慣れない人間にとっては、かなり大きい要因だと思う。

 また、ヴァイオリニストのアルバムということで、ヴァイオリンの音が他の楽器の音に消されて聞こえない、ということもなく、良く聞こえているのも良いと思う。

 タイトルからは、どんな曲か思い出せなかったが、

7. チャールダーシュ(Csárdás)(モンティ(Monti))

が今回聞いた中でも特に印象的だった。

灼眼のシャナXVIII

灼眼のシャナXVIII
高橋弥七郎
アスキー・メディアワークス
電撃文庫 た-14-24
2009年2月10日 初版発行
ISBN:978-4-04-867521-5 C0193
295ページ
--------------------

--------------------
 ☆x3.5〜4(特に何かが悪いというわけではないが、まあ、平均的な出来という感じ)

 前巻17巻に続いて、今回も大きなイベントの合間の小休止といった感じで、大きな動きはあまりない(全体としては、かなり大規模な展開をしているが、主要キャラについてはない)。この巻でひとまず、次の段階に向けての準備が一通り整ったので、次巻に期待したい。

 最初の3分の1ぐらいは少し退屈な展開だったが、中盤以降にはテンポよく進んでいったので、一気に読み進められた。あと、この巻に限った話ではないが、他のライトノベルと呼ばれる類の小説を書いている作家と比べて、各文章のレベルが高い、と感じられた。

2009年3月23日月曜日

Pass of Independence

Pass of Independence
by 平原綾香
DREAMUSIC
2008年12月3日
--------------------

--------------------
 個人的な好みとしては2曲目の「ノクターン」(ショパンの遺作)と11曲目の「今、風の中で」あたりがいい。ノクターンと13曲目の「カンパニュラの恋」は同じショパンのノクターンで前者は英語詞、後者は英語と日本語。ただ、日本語の訳詞というわけではないよう。わざわざ日本語にする必要はないように感じた。

 CDで聞くよりも、テレビ(紅白歌合戦?)で歌っている姿の方が声に迫力というかパワーがあって良かったような気がする。普通の歌手だと、ちゃんと歌うとコンピュータによる修正が効かないので、下手に聞こえるがそういうのがないのは流石というところ。

 後は、やはり低音より高音がきれいに聞こえる曲を歌って欲しい。

2009年3月19日木曜日

悪魔の報復 (☆x3.5)

悪魔の報復
エラリー・クイーン 青田勝訳
東京創元社
創元推理文庫 104-18
1975年11月28日 初版 /1989年9月22日 23版
ISBN:4-488-10418-5 C0197
353ページ
----------
The Devil to Pay
by Ellery Queen
1938
----------

--------------------
 1938年の出版の作品。国名シリーズや「中途の家」の後、ライツヴィルものの前。脚本を書く仕事のために、ハリウッドにやってきたエラリィが、事件に関わっていく。この作品には、国名シリーズでおなじみのいつものメンバーは登場しないし、エラリィ自体が警察などから煙たがられるというように、これまでの作品とは雰囲気がだいぶ異なっている。その辺りは読む人によって好き嫌いが分かれるかもしれない。

 企業の経営者が、自分だけ大きな利益を得、一方の共同経営者、一般投資家が大きな損害を被る、且つ、それらの救済のための手を打たない、という展開からスタートする今作の設定は、もちろん1930年代のアメリカの姿を映したものだろうが、なんだか妙に、現代的な気がしてしまった。「Y」の時もそうだが、変なところで今に通じるところがあるというのがおかしい気もする。

 出来としては、やはり国名シリーズやレーンものと比べてやや重量感に欠けるきらいはあるが、テンポよく進んでいくし、全体としてはまずまず、いい出来だと思う。青酸の使用法や警察(というか警視)が初め、少し頭が悪いというか、軽率すぎるといったところが少し気になるかも。まあ、微笑ましい気もする。

 それから、今回読んだ本は図書館で借りたもの(1989年の23版)なので、amazon.jpにある画像とは表紙のデザイン等が異なっていた。こういうデザインのTシャツってどうだろう?

2009年3月18日水曜日

聖剣の刀鍛冶(=ブラックスミス)#3. Fool (☆x4)

聖剣の刀鍛冶(=ブラックスミス)#3. Fool
三浦勇雄
メディアファクトリー
MF文庫J み-01-11
2008年9月30日 初版第一刷発行
ISBN:978-4-8401-2423-2 C0193
259ページ

--------------------
シリーズ3作目。前巻で相手方(悪役)も顔を出し、割と自由に動くようになり、その辺りも含めてストーリー全体がスムーズに動いているのも好印象。週刊の漫画などだと、一つの戦いやイベントなどで何回も引っぱり、少しだるさがあるが、このくらいのテンポで話が進んでいく方が、読む側としてはありがたいと思う。

また、まだ色々と隠してある設定等があるので、その辺りも上手く今後の展開を広げる方向で活かされることを期待したい。難をあげるとすれば、登場人物たちがそれぞれ言わずに隠していることを持ちながらも、少し感情的に動きすぎる(単純すぎる)ところがもったいないと思う。もっと複雑な人格であっても、物語のテンポには影響しないだろうし、話に奥行きがでて良いように思う。(ただ、ページ数が増えて、本が厚くなる、もしくは発行が遅くなるなどの自体になるかも。これはマイナスか?)

静野さんとこの蒼緋(=ふたご) (☆x3)


静野さんとこの蒼緋(=ふたご)
水鏡希人
アスキー・メディアワークス
電撃文庫 み-13-2
2009年1月10日 初版発行
ISBN:978-4-04-867480-5 C0193
333ページ
--------------------
 評価としては可もなく不可もなく。

 ある日突然、自分の記憶にない妹が現れる。そりが合わずけんかばかりしている。妹は実は秘密の特殊能力を持っている(魔法使い)。自分にも同様の能力がある(但し、封印されている)。ピンチで力が解放される、などなど。この作品を構成している設定の多くというか殆どは、これといって新しいものでもなく、むしろ使い古されたものばかり。お約束的な設定であるものの、作品全体の作り、まとめ方などは割ときちんとしているので、作品の質、水準に関して、これといった不満はない。しかし、新しさがないのでその部分でいまいち満足感に欠ける印象があるので、評価は☆3つ、可もなく不可もなく。

 (シリーズ化したとして)今後の展開が、学校絡みで何らかのトラブル発生→主人公の周囲(部活メンバー)が首を突っ込む→騒ぎが大きくなる→妹(次いで主人公)が首を突っ込む(巻き込まれる)→バトル→解決、といったありがちの流れにならないで欲しい。設定がありがちなので展開の仕方でこちらの予想を裏切って欲しい。

 それから、本文とは関係ないが表紙、口絵の絵が幼いのが少し気になる。表紙の人物と影の使い方は良いと思う。

2009年3月14日土曜日

空ろの箱と零のマリア (☆x3.5)

 表紙を開いてすぐにある説明、あるいは電撃文庫のウェブページに書かれている説明を見てその印象で読むと、読み始めてほんの1、2ページでその印象は崩れる。これらの文章が本書の内容を伝えようという意図のものだとするなら、あまり成功してはいないと思う。

 全体を読んでみて、登場人物それぞれの性格などもしっかりしていて、途中でぶれたりなどもないし、全体の構成を見ても良く練られていると思う。敢えて言うなら、本書は主人公の周りの比較的狭い人間関係の中で話が展開していくが、これらの人物が善良すぎる、もう少し悪意をもって行動する人間がいても良いと思った。

 また、この閉じた世界が無限ループするという設定も、もっともっと色々と作り込んでも良いのでは、とも思う。ミステリなどでもメタ構造をもつものは時折見られるが、それらの多くは本書と比べるともっと徹底的にその構造を使っている。そこまではやらないにしても、折角の設定をもっと使わない手はないと思う。

 最後に、本文とは関係ないがイラストが全体的に幼すぎるというか、本文での行動や会話などと比べて、若干違和感を覚えた。
--------------------
空ろの箱と零のマリア
御影瑛路
アスキー・メディアワークス
電撃文庫 み-8-4
2009年1月10日 初版発行
ISBN:978-4-04-867461-4 C0193
331ページ

コンパクトポーチDSi ブラック(☆x4)

DSi用のポーチ。DSi本体とカード(DSソフトorメモリーカード)3枚、タッチペン1本収納可能。ベルトなどに留めるための機構(ベルトループ?)がついている。

第一印象としては、まあ可もなく不可もなくといったところ。ポーチの外側などもいかにもプラスチックといった安手の素材であるし、中のDSカードを収納するところにしてももう少し質を良くしても良いと感じた。ただ、値段を考えるとこのぐらいの水準であれば十分すぎるほどの出来であるとも思う。そういうわけで、トータルの評価としてはまずまず。できればDSi本体をポーチ内部で固定するためのベルトなりがあっても良いと思う。後はもう少し長い期間使ってみてどうか、という点も少し注意してみてみたい。
--------------------
コンパクトポーチDSi ブラック
メーカー:ホリ

2009年3月12日木曜日

村上式シンプル英語勉強法 使える英語を、本気で身につける (☆x3)

 本書は30代で外資系企業に転職し、2003年から米Google副社長兼日本法人社長をつとめる著者が自身の勉強法、体験などを書き綴ったものである。
 
 全体を読んでみての印象は、特に得るものはなかったという感じだ。というのは、本書で述べられている方法の多くは、特別なやり方でもなく、学校などで教えられる方法や、別の人が書いた本などでもしばしば見られる類のものであった。その意味で、本書を読むことで得られるものは、(特に英語の勉強法などに関心があって、それらの本を読んでいるひと程)少ないと思う。

 むしろ本書は2,3ページごとに話題が区切られているので、気楽に読むエッセイとしてみた方が面白いかもしれない。著者の経歴などを考えると、そういった部分に関する記述をもっと多くした方が良いように感じた。

 その他、単語やリスニングといったテーマごとに紹介していた、参考図書やウェブサイトなどが意外と役に立つのかもしれない。
--------------------
村上式シンプル英語勉強法 使える英語を、本気で身につける
村上憲郎
ダイヤモンド社
2008年7月31日 第1刷発行
ISBN:978-4-478-00580-4 C0030
149頁

無貌伝 〜双児の子ら〜 (☆x5)

 望月守宮(=もちづきやもり)作による第40回メフィスト賞受賞作。文句なしの出来栄え。

 この作品では、「ヒトデナシ」と呼ばれる怪異、或いは妖怪とでもいうべき存在が、全体を通じて大きな役割を果たしている。物語の世界では通常の物理法則に加えてヒトデナシによる人智を超えた出来事の存在を肯定している。また、世界そのものも現実の世界に似た架空の世界を作り上げている。それらのバランスがよく調和し、無理のない展開となっている。

 無数の顔をもつ怪盗(=ヒトデナシ)、ヒトデナシ無貌によって顔を奪われて以来やる気のない探偵、探偵に対して生意気な探偵助手など、この物語の中心人物たちは乱歩の怪人二十面相に対する一つのアンチテーゼのようになっている。その辺りも作品の魅力の一つであるといっていいと思う。

 ヒトデナシという特殊な力を持った存在がありながら、それらの特殊能力による乱暴な解決ではなく、きちんと筋道の立った解決がなされている点も非常に好ましいと思う。全体として伏線の張り方などもとても上手くできているし、また、何よりも読んで面白い。

 今作は序盤から中盤までは、探偵助手と探偵の出会いだったりなどに割かれているが、自作以降はそういったことは既知として話が進むであると考えられるので、最初から物語そのものを楽しみたいと思う。主人公である探偵助手+探偵とヒトデナシ無貌の対決や、今回は名前だけの登場だった、三探偵(の残り二人)の存在など、続編に通じる要素などもいくつか見られたのでその辺りをどう扱うかにも期待したいと思う。まずは、2009年秋に予定されている「無貌伝 〜夢境ホテルの午睡〜」の登場を待ちたい。
--------------------
無貌伝 〜双児の子ら〜
望月守宮
講談社
講談社ノベルス モI-01
2009年1月8日 発行
ISBN:978-4-06-182632-8 C0293
401頁

2009年3月10日火曜日

天帝のみぎわなる鳳翔 (☆x3.5)

 『天帝』シリーズの4作目にして、最新刊。英題にThe Aircraft Carrier SURUGA Murder Caseとある通り、今回も相変わらずペダンティックだが、ヴァン・ダインほど読みづらくはない。但し、さすがにこの分量だと読むには少し疲れる。「日本本格史上最大の3000人殺し」と裏表紙にあるが、前3作と比べ被害者がそれほど主人公たちと身近というわけでもなく、いうほどにヘビーではない。また、分量的にも前3作と比べ、突出して多いわけでもなく、今作が最高傑作という印象は個人的にはない(かといって、つまらないというわけでもない。比較的さっぱりしているという感じ)。

 それから、シリーズ物なのでやむを得ないとも思うが、時代背景、登場人物の関係などの説明はない。したがって、途中はそれほど問題はないと思うが、最初の部分と、最終幕に関していえば、これらの情報を把握していないと十分に状況が理解出来ないと思う。なので、これを最初の一冊とするのは少しきつい。できれば作順に読んで、流れを把握しておい他方が良いと思う。

 また、個人的には、どちらかというと、1作目のように、楽器演奏の場面をもっと登場させて欲しい。この辺りは(あるかどうかわからないが、)自作に期待したいと思う。
--------------------
天帝のみぎわなる鳳翔
古野まほろ
講談社
講談社ノベルス フJ-06
2009年2月5日 発行
ISBN:978-4-06-182620-5 C0293
759頁