2009年3月10日火曜日

天帝のみぎわなる鳳翔 (☆x3.5)

 『天帝』シリーズの4作目にして、最新刊。英題にThe Aircraft Carrier SURUGA Murder Caseとある通り、今回も相変わらずペダンティックだが、ヴァン・ダインほど読みづらくはない。但し、さすがにこの分量だと読むには少し疲れる。「日本本格史上最大の3000人殺し」と裏表紙にあるが、前3作と比べ被害者がそれほど主人公たちと身近というわけでもなく、いうほどにヘビーではない。また、分量的にも前3作と比べ、突出して多いわけでもなく、今作が最高傑作という印象は個人的にはない(かといって、つまらないというわけでもない。比較的さっぱりしているという感じ)。

 それから、シリーズ物なのでやむを得ないとも思うが、時代背景、登場人物の関係などの説明はない。したがって、途中はそれほど問題はないと思うが、最初の部分と、最終幕に関していえば、これらの情報を把握していないと十分に状況が理解出来ないと思う。なので、これを最初の一冊とするのは少しきつい。できれば作順に読んで、流れを把握しておい他方が良いと思う。

 また、個人的には、どちらかというと、1作目のように、楽器演奏の場面をもっと登場させて欲しい。この辺りは(あるかどうかわからないが、)自作に期待したいと思う。
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天帝のみぎわなる鳳翔
古野まほろ
講談社
講談社ノベルス フJ-06
2009年2月5日 発行
ISBN:978-4-06-182620-5 C0293
759頁

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