2009年3月14日土曜日

空ろの箱と零のマリア (☆x3.5)

 表紙を開いてすぐにある説明、あるいは電撃文庫のウェブページに書かれている説明を見てその印象で読むと、読み始めてほんの1、2ページでその印象は崩れる。これらの文章が本書の内容を伝えようという意図のものだとするなら、あまり成功してはいないと思う。

 全体を読んでみて、登場人物それぞれの性格などもしっかりしていて、途中でぶれたりなどもないし、全体の構成を見ても良く練られていると思う。敢えて言うなら、本書は主人公の周りの比較的狭い人間関係の中で話が展開していくが、これらの人物が善良すぎる、もう少し悪意をもって行動する人間がいても良いと思った。

 また、この閉じた世界が無限ループするという設定も、もっともっと色々と作り込んでも良いのでは、とも思う。ミステリなどでもメタ構造をもつものは時折見られるが、それらの多くは本書と比べるともっと徹底的にその構造を使っている。そこまではやらないにしても、折角の設定をもっと使わない手はないと思う。

 最後に、本文とは関係ないがイラストが全体的に幼すぎるというか、本文での行動や会話などと比べて、若干違和感を覚えた。
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空ろの箱と零のマリア
御影瑛路
アスキー・メディアワークス
電撃文庫 み-8-4
2009年1月10日 初版発行
ISBN:978-4-04-867461-4 C0193
331ページ

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