なぜ世界は不況に陥ったのか ―集中講義・金融危機と経済学
池尾和人/池田信夫
日経BP社
2009年3月2日 第1版第1刷発行 /2009年3月12日 第1版第3刷発行
ISBN:978-4-8222-4723-2 C0033
301ページ
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サブプライムローン問題に端を発する今回の一連の金融危機に対して、経済学的な分析を書いた本。
この本の中で述べられている内容については、すべて同意できるわけではないが、今回の経済危機において、日本経済がアメリカの問題に巻き込まれただけというわけではなく、構造的に成長率が低下しているというような類の話は、確かにそうだと思うところも割とあったと思う。
この本のプラスに評価すべきところとしては、割と早い時期に出たというあたりだとか、きちんと経済理論を理解したうえで、それを基に話を進めている点だと思う。
一方で、金融関連の用語など必ずしもすべての読者がそれらに通じているわけではないという所も考慮してほしいと思う。巻末に用語一覧が付いているものの、読みながらいちいちそれを参照するのは面倒だし、今回の金融危機は、金融業に携わる一部の人の問題というより、もっと多くの人にとって重要な問題なのだから、読者を自ら限定するようなつくりになっているというのは、読む側にとっても、或いは出版者的にもマイナスだと思う。
また、折角二人の経済学者が話をしているのだから、もっとその形を活かすような作り方をしてもよかったと思う。すなわち、例えばベッカー&ポズナーのように、お互いが同様専門的な立場から意見を言っているのかなどを明確にしたうえでの議論をしたりするなどの工夫があってもよかったと思う。もちろん、本文でも、それぞれが自らの専門分野について説明をする場面はあったが、それ以外の場面では、お互いがすでにその結論を知ったうえで話をしているというか、仮にせりふを逆にしたとしても特に問題なく読めてしまうように感じた箇所が多かった。もっと、本のコンセプトというか、工夫があってもいいと思った。
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