キノの旅XIII -the Beautiful World-
時雨沢恵一
アスキー・メディアワークス
電撃文庫 し-8-30
2009年10月10日 初版発行
ISBN:978-4-04-868068-4 C0193
263ページ
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キノの旅本編のシリーズ13作目。
口絵部分を読んで、プロローグへ。プロローグの「この世界の話・b」でのキノの行動に違和感を覚えたが、エピローグの「この世界の話・a」を読んで納得。この辺りの本1冊の構成も含めて、流石に上手いと思う。
今回も大きな作りとしては、これまで通りだし、また、作品の水準も安定していると思う。ただし、今回決定的な違いとしては、まともなあとがきがついていること。まともとは言っても、普通に20ページ以上もあるので、全然まともではないけれど、それでもごく普通の質問に、割合キチンと応えているという点では、非常にまとも。作家9年目だということで、何か特別な記念とか言うことではないようなので、今回のようにQ&Aみたいな普通のことをやられると、逆に何かあるのか、と不安になってしまう。
2009年12月28日月曜日
妖怪ソング お化けは死なない…
妖怪ソング お化けは死なない…
コロムビアミュージックエンターテインメント
2007
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タイトル通り、妖怪、悪魔などのアニメ、実写のテーマ曲によるコンピレーションアルバム。
悪魔くん(アニメ版)のオープニング曲を聞きたくて探していたところ、発見。一つ一つの曲については、他のコンピレーションアルバムでも聞けるだろうが、妖怪、悪魔をテーマにして、1枚のアルバムを作った、という点は面白いアイディアだったかも。勿論、この中に入っていてしかるべき曲もまだまだあると思うが、とりあえずの出来としてはまずまず、悪くないと思う。さらに、よくある決定盤とかの企画ものと違って、曲の情報が作詞者、作曲者だけではなく、放映当時の情報であったり、歌い手の情報であったり、より細かな情報についても書かれている点も好印象だと思う。
その他、印象深かったこととしては、「カランコロンの歌」(ゲゲゲの鬼太郎)を歌っているのが、サザエさんのフグ田サザエ役の加藤みどりだったこと、「妖怪人間ベム」の歌の完成度、というか出来が非常に高かったこと、悪魔くん(実写版)の主題歌の面白さなど、いろいろ興味深いこともあった。
コロムビアミュージックエンターテインメント
2007
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タイトル通り、妖怪、悪魔などのアニメ、実写のテーマ曲によるコンピレーションアルバム。
悪魔くん(アニメ版)のオープニング曲を聞きたくて探していたところ、発見。一つ一つの曲については、他のコンピレーションアルバムでも聞けるだろうが、妖怪、悪魔をテーマにして、1枚のアルバムを作った、という点は面白いアイディアだったかも。勿論、この中に入っていてしかるべき曲もまだまだあると思うが、とりあえずの出来としてはまずまず、悪くないと思う。さらに、よくある決定盤とかの企画ものと違って、曲の情報が作詞者、作曲者だけではなく、放映当時の情報であったり、歌い手の情報であったり、より細かな情報についても書かれている点も好印象だと思う。
その他、印象深かったこととしては、「カランコロンの歌」(ゲゲゲの鬼太郎)を歌っているのが、サザエさんのフグ田サザエ役の加藤みどりだったこと、「妖怪人間ベム」の歌の完成度、というか出来が非常に高かったこと、悪魔くん(実写版)の主題歌の面白さなど、いろいろ興味深いこともあった。
≠(=ノットイコール)の殺人
≠(=ノットイコール)の殺人
石崎幸二
講談社
講談社ノベルス イN-06
2009年12月7日 第1刷発行
ISBN:978-4-06-182694-6 C0293
218ページ
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女子高生&サラリーマンによるシリーズの第6作目。
今回の舞台も前回と同じく孤島。シリーズを通して、ここまで孤島の頻度が突出して多くなると、今後も半ばお約束的にどんどん孤島を舞台にして欲しい気もする。
今作を読んだ印象として、これは前回とも共通するが、女子高生(今回は)トリオらによる会話(というか,ほとんど漫談)は確かに面白いと思う。若干やり過ぎ感はあるが、それでもこれがこのシリーズの魅力でもあるし、なくてはならないものだとも思う。ただ、その一方で、ミステリ的な部分が弱く感じるのも、これまた前作と同じ。余りにヘビーなものを求める気もないが、メインキャラたちの会話の印象が強い分、その印象ばかりが残ってミステリ的な部分の印象があまり残っていない。それが悪いとはいわないが、やはりそれでは本末転倒だと思う。他にはない面白さを持っているのだから、そのストロングポイントを活かしつつ、更に面白いものを作って欲しい。
石崎幸二
講談社
講談社ノベルス イN-06
2009年12月7日 第1刷発行
ISBN:978-4-06-182694-6 C0293
218ページ
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女子高生&サラリーマンによるシリーズの第6作目。
今回の舞台も前回と同じく孤島。シリーズを通して、ここまで孤島の頻度が突出して多くなると、今後も半ばお約束的にどんどん孤島を舞台にして欲しい気もする。
今作を読んだ印象として、これは前回とも共通するが、女子高生(今回は)トリオらによる会話(というか,ほとんど漫談)は確かに面白いと思う。若干やり過ぎ感はあるが、それでもこれがこのシリーズの魅力でもあるし、なくてはならないものだとも思う。ただ、その一方で、ミステリ的な部分が弱く感じるのも、これまた前作と同じ。余りにヘビーなものを求める気もないが、メインキャラたちの会話の印象が強い分、その印象ばかりが残ってミステリ的な部分の印象があまり残っていない。それが悪いとはいわないが、やはりそれでは本末転倒だと思う。他にはない面白さを持っているのだから、そのストロングポイントを活かしつつ、更に面白いものを作って欲しい。
私立霧舎学園ミステリ白書 十二月は聖なる夜の予告殺人
私立霧舎学園ミステリ白書 十二月は聖なる夜の予告殺人
霧舎巧
講談社
講談社ノベルス キG-16
2009年12月7日 第1刷発行
ISBN:978-4-06-182605-2 C0293
191ページ
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霧舎学園シリーズの9作目、12月の事件。十一月
と2冊同時刊行。
作者自身が言っている通り、「11月」、「12月」共に、それぞれ独立になっているので、別に読んでもそれ自体は大丈夫だが、やはり「12月」の後半部解答に向かう場面のことを考えると、やはり「11月」の方から順に読んだ方が話しの流れが分かるし、また、そうすることで「11月」の方に対する見方というのも、180°とはいわないまでも、大分違ってくると思う。
個人的な印象としては,作者がこの2冊に仕掛けたトリック、というか仕掛けというのは、ミステリ的にはやや反則な気もしないでも無い。まあ、特に困ることもないけれど。あと、気になるところとしては、最終的にこのシリーズのラストをどうやって終わらせるのか、その終わらせ方に注目したい。よくあるみたいに、「その20年後…」、なんて安易ことをしないでくれれば良いけれど。まあ、前作「10月」から2年半かかっているので次がいつのなるのか、分からないが気長に待ちたい。
霧舎巧
講談社
講談社ノベルス キG-16
2009年12月7日 第1刷発行
ISBN:978-4-06-182605-2 C0293
191ページ
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霧舎学園シリーズの9作目、12月の事件。十一月
作者自身が言っている通り、「11月」、「12月」共に、それぞれ独立になっているので、別に読んでもそれ自体は大丈夫だが、やはり「12月」の後半部解答に向かう場面のことを考えると、やはり「11月」の方から順に読んだ方が話しの流れが分かるし、また、そうすることで「11月」の方に対する見方というのも、180°とはいわないまでも、大分違ってくると思う。
個人的な印象としては,作者がこの2冊に仕掛けたトリック、というか仕掛けというのは、ミステリ的にはやや反則な気もしないでも無い。まあ、特に困ることもないけれど。あと、気になるところとしては、最終的にこのシリーズのラストをどうやって終わらせるのか、その終わらせ方に注目したい。よくあるみたいに、「その20年後…」、なんて安易ことをしないでくれれば良いけれど。まあ、前作「10月」から2年半かかっているので次がいつのなるのか、分からないが気長に待ちたい。
私立霧舎学園ミステリ白書 十一月は天使が舞い降りた見立て殺人
私立霧舎学園ミステリ白書 十一月は天使が舞い降りた見立て殺人
霧舎巧
講談社
講談社ノベルス キG-15
2009年12月7日 第1刷発行
ISBN:978-4-06-182604-5 C0293
199ページ
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霧舎学園シリーズの8冊目、11月の事件。
まず内容より何よりも、前作十月
からおよそ2年半ぶりの新作ということで、キャラの性格とかおおよそのことはともかく、前回までの流れなど、細かい事件の経過などは殆ど覚えていない。まあ、これ自体特に支障はないが、シリーズ物でしかも、1作目(四月
)から作中では、わずか半年程度が経過しているだけだが、1作目が2002年刊行ということで、やはりちょっと時間が経ちすぎているように思う。また、作中の設定が1998年なのも、やはり現時点と比べて10年以上というのは、どうしても違和感を覚えてしまう。今回は12月も同時刊行だが、ぜひ次回はあまり時間を置かずに出して欲しい。
読んでみての印象としては、これまでの作品と変わらず、普通に読めた。もともと、それほどヘビーなシリーズでもないし、割と短時間で読めるものだったが、良い意味でその辺りの軽さというのは変わっていなかった。まあ、ラストの解決シーンに向けての展開が、ちょっと急すぎるというか、あっさりしすぎの気もするが、まあ、こんな感じのシリーズだったかな、という感じ。
以下、その他は12月と合わせて。
霧舎巧
講談社
講談社ノベルス キG-15
2009年12月7日 第1刷発行
ISBN:978-4-06-182604-5 C0293
199ページ
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霧舎学園シリーズの8冊目、11月の事件。
まず内容より何よりも、前作十月
読んでみての印象としては、これまでの作品と変わらず、普通に読めた。もともと、それほどヘビーなシリーズでもないし、割と短時間で読めるものだったが、良い意味でその辺りの軽さというのは変わっていなかった。まあ、ラストの解決シーンに向けての展開が、ちょっと急すぎるというか、あっさりしすぎの気もするが、まあ、こんな感じのシリーズだったかな、という感じ。
以下、その他は12月と合わせて。
子門真人ヴォーカル・コンピレーション ーひらけ!ポンキッキ・コレクションー
子門真人ヴォーカル・コンピレーション ーひらけ!ポンキッキ・コレクションー
子門真人
Pony Canyon
2003
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「およげ!たいやきくん」、「はたらくくるま2」や「ホネホネ・ロック」 など「ひらけ!ポンキッキ」での子門真人の曲と、同じく「ひらけ!〜」のヒット曲を子門真人がカバーした曲を集めたもの。
子門真人がオリジナルである「たいやきくん」や「はたらくくるま2」などは、これ以外にも「ひらけ!〜」の曲を集めたコンピレーションアルバム等で聞くことは出来るが、カバー曲は他ではほとんど見かけたことがないので、それらだけでも聞いてみる価値はあると思う。また、少し珍しいところだとこのアルバムに収録されている「アメリカインディアンの教え」や、特撮ものやアニメソングなどでの歌い方とはひと味違った「ケンカのあとは」なども子門真人の別の一面が見えるようで、興味深かった。
「たいやきくん」以外の曲についても知っているつもりだったが 、まだまだ知らない名曲が沢山ありそうなので、子門真人の曲をこれとは違ったテーマで集めたCDアルバムもあるようなので、そちらも聞いてみたい。
参考:Amazon.co.jpで子門真人を検索
子門真人
Pony Canyon
2003
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「およげ!たいやきくん」、「はたらくくるま2」や「ホネホネ・ロック」 など「ひらけ!ポンキッキ」での子門真人の曲と、同じく「ひらけ!〜」のヒット曲を子門真人がカバーした曲を集めたもの。
子門真人がオリジナルである「たいやきくん」や「はたらくくるま2」などは、これ以外にも「ひらけ!〜」の曲を集めたコンピレーションアルバム等で聞くことは出来るが、カバー曲は他ではほとんど見かけたことがないので、それらだけでも聞いてみる価値はあると思う。また、少し珍しいところだとこのアルバムに収録されている「アメリカインディアンの教え」や、特撮ものやアニメソングなどでの歌い方とはひと味違った「ケンカのあとは」なども子門真人の別の一面が見えるようで、興味深かった。
「たいやきくん」以外の曲についても知っているつもりだったが 、まだまだ知らない名曲が沢山ありそうなので、子門真人の曲をこれとは違ったテーマで集めたCDアルバムもあるようなので、そちらも聞いてみたい。
参考:Amazon.co.jpで子門真人を検索
2009年12月22日火曜日
うみねこのなく頃に Episode 2 Turn of the golden witch(下)
うみねこのなく頃に Episode 2 Turn of the golden witch(上)
竜騎士07
講談社
講談社BOX リA-21
2009年11月4日 第1刷発行
ISBN:978-4-06-283735-4 C0093
318ページ
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Episode 2の下巻。以下、上巻
と合わせた感想。
Episode 1を読んで登場人物の関係、性格等は把握出来ている。また、一連の『ひぐらし〜』も読んで作者のやってきそうな手についても、ある程度の免疫がある。その上で、この『うみねこ〜』の2作目でどう持ってくるのか、という点に注目、期待していたが、それほどの驚きはなかったというのが正直なところだ。
Episode 1との違いとしては、物語の筋に幾らかの違いはあること(イメージとしては、それぞれの人物に割り振られている役割の違いという感じ)、また、前巻では姿を見せなかった魔女が実際の姿を見せること、あるいは、前巻では特に記述されていない場面が記述されることで、それぞれのキャラについての情報が少し増えたことなどがある。しかしそれでも、『ひぐらし〜』のときと同じく、物語が進んでいく方向としてはEpisode 1と同じ方向であるし、また、Episode 1との違いにしても、予想される範囲内、大きな驚きを与えるほどのものではないと思う。Episode 3以降どのようになるのかは分からないが次巻以降に期待したい。
竜騎士07
講談社
講談社BOX リA-21
2009年11月4日 第1刷発行
ISBN:978-4-06-283735-4 C0093
318ページ
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Episode 2の下巻。以下、上巻
Episode 1を読んで登場人物の関係、性格等は把握出来ている。また、一連の『ひぐらし〜』も読んで作者のやってきそうな手についても、ある程度の免疫がある。その上で、この『うみねこ〜』の2作目でどう持ってくるのか、という点に注目、期待していたが、それほどの驚きはなかったというのが正直なところだ。
Episode 1との違いとしては、物語の筋に幾らかの違いはあること(イメージとしては、それぞれの人物に割り振られている役割の違いという感じ)、また、前巻では姿を見せなかった魔女が実際の姿を見せること、あるいは、前巻では特に記述されていない場面が記述されることで、それぞれのキャラについての情報が少し増えたことなどがある。しかしそれでも、『ひぐらし〜』のときと同じく、物語が進んでいく方向としてはEpisode 1と同じ方向であるし、また、Episode 1との違いにしても、予想される範囲内、大きな驚きを与えるほどのものではないと思う。Episode 3以降どのようになるのかは分からないが次巻以降に期待したい。
うみねこのなく頃に Episode 2 Turn of the golden witch(上)
うみねこのなく頃に Episode 2 Turn of the golden witch(上)
竜騎士07
講談社
講談社BOX リA-20
2009年11月4日 第1刷発行
ISBN:978-4-06-283730-9 C0093
266ページ
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Episode 2の上巻。感想(→Episode 2(下))は下巻
とまとめて。
竜騎士07
講談社
講談社BOX リA-20
2009年11月4日 第1刷発行
ISBN:978-4-06-283730-9 C0093
266ページ
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Episode 2の上巻。感想(→Episode 2(下))は下巻
Chrome Closed Chronicle -クロム・クローズド・クロニクル
Chrome Closed Chronicle -クロム・クローズド・クロニクル-
日下弘文
富士見書房
富士見ファンタジア文庫 く-2 1-1
平成21年10月25日 初版発行
ISBN:978-4-8291-3458-0 C0193
296ページ
----------
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シリーズの第1作目。
裏表紙の内容説明や、巻末の作者あとがきなどを見ると、いろいろと壮大な、スケールの大きな話しのような印象を受ける。確かに、舞台となる世界の設定や、主人公たちの能力の不自由さなどは非常に魅力的なものに思える。しかし、個人的には少々物足りなさを感じる。一つには登場人物たち、特に主人公の人物造形がどうにも作り物のような違和感がある。小説の主人公であるから特徴的であることは必須条件でもあると思うが、少しやり過ぎというか、無理に作ったように思える。このままの性格、キャラクターで何作も続くのは少々飽きがくるというか、食傷気味になるような気がする。
表紙のイラスト、文字のデザイン等は良いと思う。本文中の挿絵ももう少し、硬めの感じの方がいいと思う。どの程度の読者を想定しているのか知らないが、少し幼すぎるように思う。
日下弘文
富士見書房
富士見ファンタジア文庫 く-2 1-1
平成21年10月25日 初版発行
ISBN:978-4-8291-3458-0 C0193
296ページ
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シリーズの第1作目。
裏表紙の内容説明や、巻末の作者あとがきなどを見ると、いろいろと壮大な、スケールの大きな話しのような印象を受ける。確かに、舞台となる世界の設定や、主人公たちの能力の不自由さなどは非常に魅力的なものに思える。しかし、個人的には少々物足りなさを感じる。一つには登場人物たち、特に主人公の人物造形がどうにも作り物のような違和感がある。小説の主人公であるから特徴的であることは必須条件でもあると思うが、少しやり過ぎというか、無理に作ったように思える。このままの性格、キャラクターで何作も続くのは少々飽きがくるというか、食傷気味になるような気がする。
表紙のイラスト、文字のデザイン等は良いと思う。本文中の挿絵ももう少し、硬めの感じの方がいいと思う。どの程度の読者を想定しているのか知らないが、少し幼すぎるように思う。
QED 出雲神伝説
QED 出雲神伝説
高田崇史
講談社
講談社ノベルス タS-28
2009年10月21日 第1刷発行
ISBN:978-4-06-182683-0 C0293
350ページ
----------
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QEDシリーズ第16作目。
今作の舞台は出雲。ただし、出雲とはいっても、島根県の出雲ではなく、奈良の出雲が舞台となっている。ここで、事件が発生し、また、いつものメンバーがそれに巻き込まれて、というか、関わっていくというパターン。今作についても、読者の側が推理して、犯人を当てたり、動機を予想したりというよりは、普通に読んで楽しむという感じ。
今作の一つの特徴としては、この1冊の中に、後日談というか、もう1編、『QED〜flumen〜 出雲大遷宮』が収録されていることだろう。これは、2009年1月のメフィストに掲載されたらしい短編だが、その内容は特に何があるわけでもないのだが、ある意味で本編以上に衝撃的というか、予想外の内容だった。
WebのEssay等に書かれていることから察するに、作者はどうやら物語の結末というか、シリーズの幕の引き方、終わらせ方を既に考えているようだが、変な終わらせ方をせず、きちんとハッピーエンドで終わらせてもらいたい。
高田崇史
講談社
講談社ノベルス タS-28
2009年10月21日 第1刷発行
ISBN:978-4-06-182683-0 C0293
350ページ
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QEDシリーズ第16作目。
今作の舞台は出雲。ただし、出雲とはいっても、島根県の出雲ではなく、奈良の出雲が舞台となっている。ここで、事件が発生し、また、いつものメンバーがそれに巻き込まれて、というか、関わっていくというパターン。今作についても、読者の側が推理して、犯人を当てたり、動機を予想したりというよりは、普通に読んで楽しむという感じ。
今作の一つの特徴としては、この1冊の中に、後日談というか、もう1編、『QED〜flumen〜 出雲大遷宮』が収録されていることだろう。これは、2009年1月のメフィストに掲載されたらしい短編だが、その内容は特に何があるわけでもないのだが、ある意味で本編以上に衝撃的というか、予想外の内容だった。
WebのEssay等に書かれていることから察するに、作者はどうやら物語の結末というか、シリーズの幕の引き方、終わらせ方を既に考えているようだが、変な終わらせ方をせず、きちんとハッピーエンドで終わらせてもらいたい。
2009年12月21日月曜日
念写探偵 加賀美鏡介 The thought photography detective Kyosuke Kagami
念写探偵 加賀美鏡介 The thought photography detective Kyosuke Kagami
楠木誠一郎
講談社
講談社ノベルス クJ-03
2009年6月4日 第1刷発行
ISBN:978-4-06-182652-6 C0293
219ページ
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楠木誠一郎作の念写探偵シリーズ1作目?(講談社のホームページでも、この作品が何作目になるのか等、記述がないので断定出来ないがおそらくこの作品がシリーズの第1作目)。2009年12月時点で2作目の『消された龍馬 念写探偵 加賀美鏡介
』も出ている。
読み物としてみた場合、なかなか面白い作品だと思う。今回、この楠木誠一郎という作家の本を初めて読んだが、既に青い鳥文庫で何冊も書いているだけあって、構成とか、読者に面白く読ませるすべを知っているという印象を受けた。
また、多くの探偵という人種がそうであるように、このシリーズの探偵もある種の変人である。人の意見を聞かず、自分の話したい時に話し、そうでない時にはどれだけ求められようと話さない、という名探偵のフォーマットをきちんと踏襲している。そのあたり、ミステリのお約束でもあり、違和感なく読める一方で、この探偵役も含めて、ワトソン役の作家、あるいはメイド服のバイトの女性などなど、登場人物たちに新しさが感じられない、というマイナスの作用もあると思う。
また、探偵小説としてみた場合、過去の歴史上の事件と、現在の事件を並行してみていくという点でも、従来からある手法ではあるが、そのどちらについても 、今作では割と軽く扱っている。そのため、ほとんど聞いたことのない歴史上の人物、読めない漢字等で辟易させられることがない、という読みやすさがある一方、やはり物足りない、という印象を抱いてしまう。彼らの交わす会話などは面白いと思うので、もう少し、ミステリ的な部分を強化してもらいたいと思う。
全体の印象としては悪くないと思うが、個人的に気になるところを1点。裏表紙の説明では、「千利休の謎解きへ!」とあるが、この作品の歴史の方の事件、謎は必ずしも千利休という一言で片付けられるものではないと思う。勿論、一つのきっかけではあるが、この書き方は誤解を招くものになるので、改めた方が良いと思う。
楠木誠一郎
講談社
講談社ノベルス クJ-03
2009年6月4日 第1刷発行
ISBN:978-4-06-182652-6 C0293
219ページ
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楠木誠一郎作の念写探偵シリーズ1作目?(講談社のホームページでも、この作品が何作目になるのか等、記述がないので断定出来ないがおそらくこの作品がシリーズの第1作目)。2009年12月時点で2作目の『消された龍馬 念写探偵 加賀美鏡介
読み物としてみた場合、なかなか面白い作品だと思う。今回、この楠木誠一郎という作家の本を初めて読んだが、既に青い鳥文庫で何冊も書いているだけあって、構成とか、読者に面白く読ませるすべを知っているという印象を受けた。
また、多くの探偵という人種がそうであるように、このシリーズの探偵もある種の変人である。人の意見を聞かず、自分の話したい時に話し、そうでない時にはどれだけ求められようと話さない、という名探偵のフォーマットをきちんと踏襲している。そのあたり、ミステリのお約束でもあり、違和感なく読める一方で、この探偵役も含めて、ワトソン役の作家、あるいはメイド服のバイトの女性などなど、登場人物たちに新しさが感じられない、というマイナスの作用もあると思う。
また、探偵小説としてみた場合、過去の歴史上の事件と、現在の事件を並行してみていくという点でも、従来からある手法ではあるが、そのどちらについても 、今作では割と軽く扱っている。そのため、ほとんど聞いたことのない歴史上の人物、読めない漢字等で辟易させられることがない、という読みやすさがある一方、やはり物足りない、という印象を抱いてしまう。彼らの交わす会話などは面白いと思うので、もう少し、ミステリ的な部分を強化してもらいたいと思う。
全体の印象としては悪くないと思うが、個人的に気になるところを1点。裏表紙の説明では、「千利休の謎解きへ!」とあるが、この作品の歴史の方の事件、謎は必ずしも千利休という一言で片付けられるものではないと思う。勿論、一つのきっかけではあるが、この書き方は誤解を招くものになるので、改めた方が良いと思う。
とある魔術の禁書目録(=インデックス)19
とある魔術の禁書目録(=インデックス)19
鎌池和馬
アスキー・メディアワークス
電撃文庫 か-12-22
2009年11月10日 初版発行
ISBN:978-4-04-868137-7 C0193
363ページ
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シリーズの第19巻。
「15巻
、SSシリーズ(1
、2
)に続き描かれる、『学園都市の暗部』編登場」等と表紙裏の扉や、電撃文庫の紹介ページに書かれていたので、きっと番外編だろうと、高をくくって読み始めたが、完全にこちらの予想を裏切ってきた。厳密に言えば、番外編であるのは間違いないし、その意味では前にあった番外編や短編と通じるのだが、今回の場合はシリーズ本編と直接的に関係している可能性が高いというか、この巻の終了時点で、それぞれの話の主人公たちが、同じ舞台に上がることになる。勿論、これで直ちに作品の完結が見えたというわけではないが、そのための舞台が整いつつある、というか、終幕に一歩ずつ近づいているという印象が強く感じられた。ということで、この巻はシリーズ全体の中でも重要な巻になると思う。
鎌池和馬
アスキー・メディアワークス
電撃文庫 か-12-22
2009年11月10日 初版発行
ISBN:978-4-04-868137-7 C0193
363ページ
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シリーズの第19巻。
「15巻
my Classics!
my Classics!
平原綾香
Dreamusic
2009
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全曲クラシックの曲に歌詞を付けたカヴァーアルバム。カヴァーとは言っても、別の歌手の歌った曲を歌うのではなく、元々の曲にオリジナルの詞を付けて歌っているので、ほとんどオリジナルに近いものになっている。
「Jupiter」や「ノクターン」などの既発表曲とともに、アンケートで選曲を決めているため、それぞれの元になった曲がどれも超有名曲ばかりで、また、全体の出来も良く、通常のアルバムというよりも、ある意味、ベストアルバムに近い出来だと思う。
一つ一つの曲が、それ自体聴き応えがあるのは勿論、BGMとして聞いていても、邪魔にならずに良い意味で聞き流せる点も個人的にはいいと思う。多くの場合、途中の歌詞が耳に入ってしまい、作業の邪魔になるというか、集中がそがれるときがあるが、今アルバムの曲は、勿論きちんと歌詞があるが、これまでに何回か聞いた限りにおいては、それに気を取られることもないので、今後も割と頻繁に聞くことになるかもしれない。
平原綾香
Dreamusic
2009
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全曲クラシックの曲に歌詞を付けたカヴァーアルバム。カヴァーとは言っても、別の歌手の歌った曲を歌うのではなく、元々の曲にオリジナルの詞を付けて歌っているので、ほとんどオリジナルに近いものになっている。
「Jupiter」や「ノクターン」などの既発表曲とともに、アンケートで選曲を決めているため、それぞれの元になった曲がどれも超有名曲ばかりで、また、全体の出来も良く、通常のアルバムというよりも、ある意味、ベストアルバムに近い出来だと思う。
一つ一つの曲が、それ自体聴き応えがあるのは勿論、BGMとして聞いていても、邪魔にならずに良い意味で聞き流せる点も個人的にはいいと思う。多くの場合、途中の歌詞が耳に入ってしまい、作業の邪魔になるというか、集中がそがれるときがあるが、今アルバムの曲は、勿論きちんと歌詞があるが、これまでに何回か聞いた限りにおいては、それに気を取られることもないので、今後も割と頻繁に聞くことになるかもしれない。
2009年12月20日日曜日
忙しい死体
忙しい死体
ドナルド・E・ウェストレイク
木村浩美 訳
論創社
論創海外ミステリ87
2009年8月15日 初版第1刷印刷/2009年8月25日 初版第1刷発行
ISBN:978-4-8460-0903-8 C0097
243ページ
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The Busy Body
by Donald E. Westlake
1966
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ドナルド・E・ウェストレイクの初期(1966年)の作品。
『やとわれた男』(1960)、『361』(1961)などのクライムノベルから、『弱虫チャーリー、逃亡中』(1965)を経て、徐々にコミカルな作品に向かっていくその過程の作品。そのためか、主人公がギャング組織の若手幹部でありながら、話の展開はというと、後のドートマンダーの作品のように、どんどんと面倒に巻き込まれていく…、という正にウェストレイク的な作品になっている。また、作品自体もそれ程長くなく、テンポも良いので、スムーズに読んでいける。
ウェストレイクは2008年の大晦日に亡くなってしまったが、彼の作品自体はドートマンダーもの、悪党パーカーもの、また、今作のようなノンシリーズもまだ未訳の作品が何作かあるので、出来れば早く読みたいと思う。2009年の秋に"Thieves dozen"の邦訳が出たが、この数年長編の新訳が出ていなかったので、それほど期待していなかったが、ぜひその他の作品も出して欲しいし、現在絶版になっている作品の復活も望みたい。
ドナルド・E・ウェストレイク
木村浩美 訳
論創社
論創海外ミステリ87
2009年8月15日 初版第1刷印刷/2009年8月25日 初版第1刷発行
ISBN:978-4-8460-0903-8 C0097
243ページ
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The Busy Body
by Donald E. Westlake
1966
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ドナルド・E・ウェストレイクの初期(1966年)の作品。
『やとわれた男』(1960)、『361』(1961)などのクライムノベルから、『弱虫チャーリー、逃亡中』(1965)を経て、徐々にコミカルな作品に向かっていくその過程の作品。そのためか、主人公がギャング組織の若手幹部でありながら、話の展開はというと、後のドートマンダーの作品のように、どんどんと面倒に巻き込まれていく…、という正にウェストレイク的な作品になっている。また、作品自体もそれ程長くなく、テンポも良いので、スムーズに読んでいける。
ウェストレイクは2008年の大晦日に亡くなってしまったが、彼の作品自体はドートマンダーもの、悪党パーカーもの、また、今作のようなノンシリーズもまだ未訳の作品が何作かあるので、出来れば早く読みたいと思う。2009年の秋に"Thieves dozen"の邦訳が出たが、この数年長編の新訳が出ていなかったので、それほど期待していなかったが、ぜひその他の作品も出して欲しいし、現在絶版になっている作品の復活も望みたい。
2009年12月18日金曜日
聖剣の刀鍛冶(=ブラックスミス)#6. New World
聖剣の刀鍛冶(=ブラックスミス)#6. New World
三浦勇雄
メディアファクトリー
MF文庫J み-01-14
2009年6月30日 初版第1刷発行
ISBN:978-4-8401-2802-5 C0193
231ページ
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シリーズ第6巻。
前巻の5巻が、連作短編集のような形で物語の本編の余白を埋めるような位置付けであったのにたいし、この第6巻は、きちんと本編が進行している。既刊では、窮地に陥るも最後にはなんとか勝利を得る、というパターンであったが、この巻ではそれが一変し、むしろ最初から最後まで負け続き、一度は敵の手に落ち、辛くも脱出するも再び…、というようにほとんど良いところがなく、むしろ主人公たちだけでなく、都市全部が窮地に陥いるというところで終わっている。これまでは、1巻でひとまず事件が解決していたが、今回はそうならずに次巻に続く、という意味でもこれまでとはひと味違っている。ここから、どういう風に持っていくのかということも楽しみだ。
気になったところとしては、この巻の副題に「New World」とついていることだ。これ自体は、この第6巻に収録されている章のタイトルではあるのだが、読んでみての印象ではどうしても違和感を感じてしまう。New Worldというと、どこまでも広がっている世界、あるいは可能性といったものをイメージするが、この巻の雰囲気だと、むしろ物語の終盤に差し掛かりつつある、クライマックスがもう目の前にくるのでは、といった印象を受ける。まだ、次を読んでいないので何ともいえないが、その点が少し気になった。
三浦勇雄
メディアファクトリー
MF文庫J み-01-14
2009年6月30日 初版第1刷発行
ISBN:978-4-8401-2802-5 C0193
231ページ
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シリーズ第6巻。
前巻の5巻が、連作短編集のような形で物語の本編の余白を埋めるような位置付けであったのにたいし、この第6巻は、きちんと本編が進行している。既刊では、窮地に陥るも最後にはなんとか勝利を得る、というパターンであったが、この巻ではそれが一変し、むしろ最初から最後まで負け続き、一度は敵の手に落ち、辛くも脱出するも再び…、というようにほとんど良いところがなく、むしろ主人公たちだけでなく、都市全部が窮地に陥いるというところで終わっている。これまでは、1巻でひとまず事件が解決していたが、今回はそうならずに次巻に続く、という意味でもこれまでとはひと味違っている。ここから、どういう風に持っていくのかということも楽しみだ。
気になったところとしては、この巻の副題に「New World」とついていることだ。これ自体は、この第6巻に収録されている章のタイトルではあるのだが、読んでみての印象ではどうしても違和感を感じてしまう。New Worldというと、どこまでも広がっている世界、あるいは可能性といったものをイメージするが、この巻の雰囲気だと、むしろ物語の終盤に差し掛かりつつある、クライマックスがもう目の前にくるのでは、といった印象を受ける。まだ、次を読んでいないので何ともいえないが、その点が少し気になった。
2009年12月13日日曜日
Star Collection Dschinghis Khan
Star Collection Dschinghis Khan
Dschinghis Khan
BMG
2002
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曲数や価格などについて言えば、大きな不満はないですが、2点だけ気になった点を。
まず1点目は、ジンギスカンのベストアルバムでありながら、その代表曲でもあり、グループ名でもある「ジンギスカン」が収録されていないこと。勿 論、超有名曲なので、他のアルバム等で良く見かける曲ではあるものの、これを外すのは、画竜点睛を欠く印象は拭えないと思います
2点目は、歌詞カードがないこと。購入前から値段を見てある程度覚悟はしていたものの、予想通り歌詞カードはなし。ジャケットの裏に曲のクレ ジットが書かれた見開き1ページのみ。まあ、これもこのクラスになると、大概はネットで探せるのですが、対訳などはともかく、原語での歌詞カードくらいは 付けて欲しかった。
以上2点ほど不満はあるものの、十分にもとがとれるアルバムだと思います。
Dschinghis Khan
BMG
2002
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曲数や価格などについて言えば、大きな不満はないですが、2点だけ気になった点を。
まず1点目は、ジンギスカンのベストアルバムでありながら、その代表曲でもあり、グループ名でもある「ジンギスカン」が収録されていないこと。勿 論、超有名曲なので、他のアルバム等で良く見かける曲ではあるものの、これを外すのは、画竜点睛を欠く印象は拭えないと思います
2点目は、歌詞カードがないこと。購入前から値段を見てある程度覚悟はしていたものの、予想通り歌詞カードはなし。ジャケットの裏に曲のクレ ジットが書かれた見開き1ページのみ。まあ、これもこのクラスになると、大概はネットで探せるのですが、対訳などはともかく、原語での歌詞カードくらいは 付けて欲しかった。
以上2点ほど不満はあるものの、十分にもとがとれるアルバムだと思います。
2009年12月11日金曜日
ロートレック荘事件
ロートレック荘事件
筒井康隆
新潮社
新潮文庫 つ-4-33
平成7年2月1日 発行
ISBN:4-10-117133-5 C0193
222ページ
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ロートレック荘と呼ばれる洋館に集まった美女が一人また一人・・・、といったような内容説明が文庫の裏表紙に書かれている。ここまでの説明だけなら、オーソドックスな洋館を舞台にした作品として期待するのだが、説明文の一番最後に「前人未到のメタ・ミステリー」なんてことを書くのは邪道だと思う。正直、新潮社にはまともにミステリを読んだことのある人間がいないのか、と疑いたくなる。
作品を読んでみたが、これはちょっと好みではない。メタ・ミステリがダメとはいわないが、トリックの為に張った伏線がどうも浮いているというか、違和感を感じさせるようなものが多い、というのは頂けないし、また、バレたあとで、本文での伏線の部分をわざわざ再掲しているというのも、良くない。確認したい人がいれば、それはその人が勝手にやればいい話で、作者がそれをするというのは、読者に対して、自分が「フェア」であるとひけらかしているようで、あまり印象に良いことだとは思わない。
また、舞台はロートレック荘という、ロートレックの作品が多く飾られている洋館を舞台としているが、あえてここでロートレックを出した必然性が分からなかった。読んでいる限り、作品になぞらえて殺人が起きたというような記述もないかったし、どうせなら、もっと、舞台空間を積極的に使った方が面白い、というかミステリ的になると思う。
巻末の解説でも触れられているが、この事件の犯人、この人物を犯人としたというのが、この作品の一番の特徴であり、主張だ(勿論、似た要素を持った犯人像というのは超有名な前例があるが)というのは確かに同意出来ると思う。
全体の感想としてはイマイチ。
筒井康隆
新潮社
新潮文庫 つ-4-33
平成7年2月1日 発行
ISBN:4-10-117133-5 C0193
222ページ
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ロートレック荘と呼ばれる洋館に集まった美女が一人また一人・・・、といったような内容説明が文庫の裏表紙に書かれている。ここまでの説明だけなら、オーソドックスな洋館を舞台にした作品として期待するのだが、説明文の一番最後に「前人未到のメタ・ミステリー」なんてことを書くのは邪道だと思う。正直、新潮社にはまともにミステリを読んだことのある人間がいないのか、と疑いたくなる。
作品を読んでみたが、これはちょっと好みではない。メタ・ミステリがダメとはいわないが、トリックの為に張った伏線がどうも浮いているというか、違和感を感じさせるようなものが多い、というのは頂けないし、また、バレたあとで、本文での伏線の部分をわざわざ再掲しているというのも、良くない。確認したい人がいれば、それはその人が勝手にやればいい話で、作者がそれをするというのは、読者に対して、自分が「フェア」であるとひけらかしているようで、あまり印象に良いことだとは思わない。
また、舞台はロートレック荘という、ロートレックの作品が多く飾られている洋館を舞台としているが、あえてここでロートレックを出した必然性が分からなかった。読んでいる限り、作品になぞらえて殺人が起きたというような記述もないかったし、どうせなら、もっと、舞台空間を積極的に使った方が面白い、というかミステリ的になると思う。
巻末の解説でも触れられているが、この事件の犯人、この人物を犯人としたというのが、この作品の一番の特徴であり、主張だ(勿論、似た要素を持った犯人像というのは超有名な前例があるが)というのは確かに同意出来ると思う。
全体の感想としてはイマイチ。
世界名探偵倶楽部
世界名探偵倶楽部
パブロ・デ・サンティス
宮崎真紀 訳
早川書房
ハヤカワ文庫HM HM-テ-12-1 HM-366-1
2009年10月10日 印刷/2009年10月15日 発行
ISBN:978-4-15-178451-4 C0197
397ページ
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El Enigma de París
by Pablo de Santis
2007
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2007年第1回プラネタ‐カサメリカ賞受賞(ラテンアメリカの文学を世界に広める、という趣旨の下に創設された賞らしい)。
世界中の名探偵たちによる"十二人の名探偵" クラブのメンバーが万博直前のパリに集まり・・・という、ミステリが好きな人間にとっては、非常に魅力的な設定になっている。読み始める前に勝手に抱いていた予想では、ホームズやクイーンといった実在の?(架空の)名探偵が登場するのかと思っていたら、全然関係なかった。
また、作品自体もまずは主人公の探偵助手が師である探偵の下に弟子入りするというところからスタートする。まあ、当然といえば当然だが、この最初のアルゼンチンでの場面、それから、パリに到着してから事件が起こるまでの場面というのは、退屈というか、あまり楽しめない場面が結構な長さになっている。
また、探偵と助手という、「ホームズとワトソン」のペアができているが実際は助手はお喋りばかりで探偵助手らしい ことはしないし、かの名探偵たちも、役割としては、むしろワトソンの役が与えられているように見える。この辺りは著者一流の、のいわゆる「名探偵」という人種への皮肉というか、わざわざ舞台を19世紀末のパリ万博の直前を舞台にした理由にもなっているのだと思う。
そういう意味では、この作品は現代のミステリの水準からすると、必ずしも高くはないし、色々と違和感が感じられる部分も多いが、中盤以降の展開、あるいは最後パズルのピースが収まるべきところに収まる様は、なかなか面白いと思う。たまには、ドロドロした長編作品ばかりではなく、こういうちょっとレトロなものも良いかなと思う。
パブロ・デ・サンティス
宮崎真紀 訳
早川書房
ハヤカワ文庫HM HM-テ-12-1 HM-366-1
2009年10月10日 印刷/2009年10月15日 発行
ISBN:978-4-15-178451-4 C0197
397ページ
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El Enigma de París
by Pablo de Santis
2007
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2007年第1回プラネタ‐カサメリカ賞受賞(ラテンアメリカの文学を世界に広める、という趣旨の下に創設された賞らしい)。
世界中の名探偵たちによる"十二人の名探偵" クラブのメンバーが万博直前のパリに集まり・・・という、ミステリが好きな人間にとっては、非常に魅力的な設定になっている。読み始める前に勝手に抱いていた予想では、ホームズやクイーンといった実在の?(架空の)名探偵が登場するのかと思っていたら、全然関係なかった。
また、作品自体もまずは主人公の探偵助手が師である探偵の下に弟子入りするというところからスタートする。まあ、当然といえば当然だが、この最初のアルゼンチンでの場面、それから、パリに到着してから事件が起こるまでの場面というのは、退屈というか、あまり楽しめない場面が結構な長さになっている。
また、探偵と助手という、「ホームズとワトソン」のペアができているが実際は助手はお喋りばかりで探偵助手らしい ことはしないし、かの名探偵たちも、役割としては、むしろワトソンの役が与えられているように見える。この辺りは著者一流の、のいわゆる「名探偵」という人種への皮肉というか、わざわざ舞台を19世紀末のパリ万博の直前を舞台にした理由にもなっているのだと思う。
そういう意味では、この作品は現代のミステリの水準からすると、必ずしも高くはないし、色々と違和感が感じられる部分も多いが、中盤以降の展開、あるいは最後パズルのピースが収まるべきところに収まる様は、なかなか面白いと思う。たまには、ドロドロした長編作品ばかりではなく、こういうちょっとレトロなものも良いかなと思う。
午前零時のサンドリヨン
午前零時のサンドリヨン
相沢沙呼
東京創元社
2009年10月15日 初版
ISBN:978-4-488-02449-9 C0093
332ページ
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第十九回鮎川哲也賞受賞作。
一つ一つ完結している短編が集まって長編を構成しているという構造。最近割と多いタイプのスタイルだと思う。
鮎川哲也賞受賞作ということで、本編のあとに審査員を務めた人たちの(他の候補作の作品も含めた)感想が載っている。その中でも指摘されているように、伏線の仕掛け方や、全体の構成等については、ミステリとしてちゃんとしていると思う。また、作品全体の空気、或いは雰囲気というのも、適度な緊張感もありつつも、ねっとりしたそれではなく、爽やかに感じられるのも好印象だと思う。
ただ、それでも全体的には弱いというか、いまいちメリハリに欠ける気がする。いわゆる日常の謎を扱っているのだから、派手な事件が起きるわけではないが、それでもどうにも中途半端な印象が拭えない。或いは意図的なものかもしれないが、作品のディティールが、曖昧な部分も多く、また、主人公を含めた高校生たちの描写が、爽やかではあるが現実の高校生たちのリアルな姿というよりは、青春小説とかに登場する、ある意味ではステレオタイプの姿なように見えるからかもしれない。ただ、まあ、作品の雰囲気という点を優先するなら、これもありかも知れない。
その他、今作品とは直接関係ないが気になった点として、本文のあとに、審査員たちに夜採点、講評が掲載されているという点が少々気になる。 この作品についての解説があるのは、ある意味では至極当然とも思うが、それ以外の候補作(この作品の他に3作品)の評価(とダメ出し)が少し問題だと思う。どういう採点の経緯によるものかは知らないが、それらの作品はこの本を読んでも全く分からない。おそらくはごく一部審査に関わった人間だけが読んだものだと思う。それについて、あれこれと話の筋書きや、トリックを書き、また、どの部分が悪いかなど具体的に書くというのは、正直自避けてもらいたい。仮に将来、それら作品が出版されて、そして、その作品を読んだとしたら、その肝心のトリックを知っているというのは、それだけでミステリとしては致命的だと思う。審査をする人たちというのは当然、何らかの意味でミステリのプロである人たちなのだから、その辺りの配慮をして欲しかった。
相沢沙呼
東京創元社
2009年10月15日 初版
ISBN:978-4-488-02449-9 C0093
332ページ
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第十九回鮎川哲也賞受賞作。
一つ一つ完結している短編が集まって長編を構成しているという構造。最近割と多いタイプのスタイルだと思う。
鮎川哲也賞受賞作ということで、本編のあとに審査員を務めた人たちの(他の候補作の作品も含めた)感想が載っている。その中でも指摘されているように、伏線の仕掛け方や、全体の構成等については、ミステリとしてちゃんとしていると思う。また、作品全体の空気、或いは雰囲気というのも、適度な緊張感もありつつも、ねっとりしたそれではなく、爽やかに感じられるのも好印象だと思う。
ただ、それでも全体的には弱いというか、いまいちメリハリに欠ける気がする。いわゆる日常の謎を扱っているのだから、派手な事件が起きるわけではないが、それでもどうにも中途半端な印象が拭えない。或いは意図的なものかもしれないが、作品のディティールが、曖昧な部分も多く、また、主人公を含めた高校生たちの描写が、爽やかではあるが現実の高校生たちのリアルな姿というよりは、青春小説とかに登場する、ある意味ではステレオタイプの姿なように見えるからかもしれない。ただ、まあ、作品の雰囲気という点を優先するなら、これもありかも知れない。
その他、今作品とは直接関係ないが気になった点として、本文のあとに、審査員たちに夜採点、講評が掲載されているという点が少々気になる。 この作品についての解説があるのは、ある意味では至極当然とも思うが、それ以外の候補作(この作品の他に3作品)の評価(とダメ出し)が少し問題だと思う。どういう採点の経緯によるものかは知らないが、それらの作品はこの本を読んでも全く分からない。おそらくはごく一部審査に関わった人間だけが読んだものだと思う。それについて、あれこれと話の筋書きや、トリックを書き、また、どの部分が悪いかなど具体的に書くというのは、正直自避けてもらいたい。仮に将来、それら作品が出版されて、そして、その作品を読んだとしたら、その肝心のトリックを知っているというのは、それだけでミステリとしては致命的だと思う。審査をする人たちというのは当然、何らかの意味でミステリのプロである人たちなのだから、その辺りの配慮をして欲しかった。
探偵小説のためのインヴェンション「金剋木」 Invention I"Le Métal" pour HONKAKOU japonais
探偵小説のためのインヴェンション「金剋木」 Invention I"Le Métal" pour HONKAKOU japonais
古野まほろ
講談社
講談社ノベルス フJ-08
2009年9月7日 第1刷発行
ISBN:978-4-06-182669-4 C0293
280ページ
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探偵小説シリーズの4作目。
これまでの3作と比べて、一番ミステリらしいミステリになっていると思う。過去の3作は、一応ミステリとしても読めるが、それに加えて、妖怪?(というか人外というか)が出てきて、それも踏まえて、もう一度解釈し直して、みたいなプロセスを辿ったり、少々くどい、或いは鬱陶しいくらいの印象があった。
それに対し、今作は「吸血鬼」という異常が物語に入ってくるけれども、その特殊性もルールの内と考えたミステリとして読めば、きちんとその中に収まる。その意味では、きちんと普通のミステリとなっている。
その他、主人公の妄想も前3作と比較すると、若干抑え気味という点も好印象。人によって見方は色々だと思うが、本筋に関係のないノイズは、あまり多すぎても邪魔なだけだと思うので、このくらいのバランスの方が良いと思う。
古野まほろ
講談社
講談社ノベルス フJ-08
2009年9月7日 第1刷発行
ISBN:978-4-06-182669-4 C0293
280ページ
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探偵小説シリーズの4作目。
これまでの3作と比べて、一番ミステリらしいミステリになっていると思う。過去の3作は、一応ミステリとしても読めるが、それに加えて、妖怪?(というか人外というか)が出てきて、それも踏まえて、もう一度解釈し直して、みたいなプロセスを辿ったり、少々くどい、或いは鬱陶しいくらいの印象があった。
それに対し、今作は「吸血鬼」という異常が物語に入ってくるけれども、その特殊性もルールの内と考えたミステリとして読めば、きちんとその中に収まる。その意味では、きちんと普通のミステリとなっている。
その他、主人公の妄想も前3作と比較すると、若干抑え気味という点も好印象。人によって見方は色々だと思うが、本筋に関係のないノイズは、あまり多すぎても邪魔なだけだと思うので、このくらいのバランスの方が良いと思う。
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