首挽村(=くびきむら)の殺人
大村友貴美
角川書店
角川文庫 お 60-1
平成21年9月25日 初版発行
ISBN:978-4-04-394306-7 C0193
500ページ
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2007年、第27回横溝正史ミステリ大賞受賞作の文庫版。
まず、横溝正史の作品を読んだことが無いので、作品の雰囲気が横溝正史と比べてどうか、という点についてはなんとも言えない。それ以外、読了後の全体的な印象としては、可もなく不可もなく、もしくは、ちょっとマイナス、位の評価。デビュー作という点から見れば、まあ、それほどひどい出来とは思わないし、ポジティブに評価できるところもあると思う(例えば、背景となる部隊の設定など)。一方で、「21世紀の横溝正史」とか「各方面から絶賛」とか書かれているのを見ると、それはない、と思う。以下、細かいところ。
舞台の設定や、村の昔話になぞらえた連続殺人など、それ自体は有効な装置だと思う。ただし、それらについても、もっと効果的な使い方を練る余地は十二分にあると思う。例えば、マジシャンが自分のマジックを見せるときに、観客にどちらの方向から見せるかまで、細心の注意を払うような感じ。その他、これは、ちょっと、と思えるところは熊の使い方。熊の生態について殆ど知識がないので、あまり断定的なことは言えないが、あまりに都合よく現れすぎている、という印象を抱いた。もっと、不確実な存在、偶然の要素という扱いのほうが適切と思う。その他、肝心の謎についても、もっと練って欲しい。少々安易過ぎるように思う。
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