2010年3月25日木曜日

本から引き出された本 引用で綴る、読書と人生の交錯

本から引き出された本 引用で綴る、読書と人生の交錯
マイケル・ディルダ
高橋知子 訳
早川書房
早川書房 116561
2010年2月20日 初版印刷 /2010年2月25日 初版発行
ISBN:978-4-15-209111-6 C0098
265ページ
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BOOK BY BOOK Notes on Reading and Life
by Michael Dirda
2005
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  様々な本の引用を、学ぶことや、仕事と余暇、恋愛、芸術などのいくつかのテーマごとにわけ、人生を豊かにする、というテーマで綴ったエッセイ。

  まず言えることは、この本の紹介にもあるように、扱っている本のジャンルが非常に広い、という特徴がある。普通、この手の本では扱う本のジャンルが、その著者ごとに非常に偏っていたりすることが常だ(だからしばしば何人かの著者がそれぞれ推薦する図書をあげる、という形をとるのだと思う)が、この本の著者に関しては一人でありながら、扱っている範囲が非常に広い。古代ギリシャ、あるいは近代の哲学者の著作から、幼児向けの絵本、ミステリ、果ては日本のアニメについての言及すらある。もちろん、長年に渡って新聞の書評欄に記事を書いていた、というのはあるにせよ、これだけの範囲をカバーしていることは、驚異的なことだと思う。

  ただ、それ自体はすごいことだとは思うが、こちら側がそれらについて知っているかというと、必ずしもそうではない。そもそもこの著者ほど幅広く読んではいないし、また、それ以前の問題として、日本語に翻訳されていない書籍も、結構な数ある。したがって、(著者の書くものも引用も含めて)文章自体は難解ではないが、その面白さをどれだけ理解できるか、というとそれほど多くはないと思う。また、この本は「人生を豊かにする」というようなある意味では、高尚ともいえるテーマがあるが、むしろ、完全に娯楽として、それこそミステリ系の本からの引用に限定するとか、あるいは日本語の書籍からとかの限定条件が付いている方が思う白いかとも思う。

  この本自体は懐の広さがあるだけに、こちら側がそれを充分に楽しむだけの下地を持っていないという点が少々もったいないと感じた。

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