2010年6月6日日曜日

エコを選ぶ力 賢い消費者と透明な社会

エコを選ぶ力 賢い消費者と透明な社会
ダニエル・ゴールマン
酒井泰介 訳
早川書房
ハヤカワ新書juice 008
2009年11月20日 初版印刷 /2009年11月25日 初版発行
ISBN: 978-4-15-320008-1 C0236
284ページ
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Ecological Intelligence: How Knowing the Hidden Impacts of What We Buy Can Change Everything
by Daniel Goleman
2009, 2010
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 ハヤカワ新書juiceの第8巻目。

 本書のテーマは「エコ」。そして、ここでいうエコとは、よくテレビ等で見られるような、ごくわずかな改良をこれでもかとばかりに声高に叫ぶ、まがい物のエコではなく、もっと科学的な裏付けのある、信頼しても良さそうなエコのことである。本書ではライフサイクル・アナリシス(LCA)の手法を用いて、ある製品それ自体のみならず、その製品の製造過程全体を通じて環境にどれだけの影響を及ぼしているのかを考える。そして、実際に環境に悪いという評価を受けた商品、企業がどのような行動をとったのかといった例を幾つも挙げている。

 本書で紹介されている取り組みが一定の効果を上げるかどうかはまだ当分の間は結論が出ないと思う。というのは、そもそもその取り組み自体が部分的であるし、また、科学物質の人体への影響などはごく僅かな知見しか得られていない。しかし、それでも、これまでごく一部の生産者しか知らなかった情報が、オープンになり、(実際にそれらを分析することは出来なくても)消費者がそれらを下に判断する、或いは、自らの意見を表明する機会を得るということの意義は大きいとも思う。

 その一方で、やはり「エコ」というのも一つの重要なキーワードであることに疑いはないと思うが、やはりそれ以外の判断、評価の基準もあるべきだと思う。昨今の状況を考えると、「環境」や「エコ」という言葉に必要以上に反応しすぎるきらいがある様に感じる。あくまでも一つの判断基準でしかないということも認識すべきであるように思う。

 本書を読んで気になった点をいくつか。一つは、人間が科学物質に曝されている現状は、程度の差こそあれ完全には回避出来ないであろう点。これは、ある意味では予想される範囲内の出来事である一方、実際に極少量の汚染が体内に蓄積されることの危険性を示されるとやはり気になってしまう。もう一つは、ヨーロッパがそれらの危険物質の規制に対してかなり積極的な態度である一方、アメリカは違うという点。これも言われてみれば分かる気もするが、アメリカという国はこの方面に関してはもっと進歩的な国という印象があったが、消費者サイドと企業サイドとでは、実際は温度差があるというのは興味深いと感じた。翻って日本は、と考えると、どうなっているのか良く知らないというのは、問題な気がするが。

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