2010年9月15日水曜日

なつのうた HiHiRecords Season Best

なつのうた HiHiRecords Season Best
Victor
2008
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 夏をテーマにしたアルバム。他に春、秋、冬でも同様のアルバムがある模様。

 最初の方は、「おかあさんといっしょ」など他のアルバムでも時々見かける曲。珍しい所としては、「かもめの水兵さん」、「ラジオ体操」の第一、第二や「マイムマイム」、「ジェンカ」など懐かしいけれど改めて聞く機会はあまりない曲。この辺だけでもちょっと聞く価値はあると思う。それにしても「マイムマイム」がイスラエル民謡、「ジェンカ」がフィンランド民謡だと初めて知った。

新幹線大爆破

新幹線大爆破
ジョゼフ・ランス 加藤阿礼
駒月雅子 訳
論創社
論創海外ミステリ93
2010年7月15日 初版第1刷印刷
2010年7月25日 初版第1刷発行
ISBN: 978-4-8460-1052-2
C0097
297ページ
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Bullet Train
by Joseph Rance and Arei Kato
1980
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 映画「新幹線大爆破」の英国版のノベライズの翻訳。

 映画の方を見たわけではない(というよりもそもそも知らなかった)ので、そちらのとの比較は出来ないが、全体を読んでみての印象は、テンポが良いということと、やや物足りない感じがすること。テンポについては、それこそ「夢の超特急」が舞台でもあり、文句無く良いと思う。映画の方がどうなっているのかはわからないが、描写も割と淡々とした描写で進んでいき、登場人物が何を考えているのかを必要以上に書かない。そこから読む側が想像することで、それが臨場感にもつながっているのだと思う。

 また、これも映画のノベライズという設定のためだと思うが、視点が作中の人物にたびたび変わる。新幹線の運転手や、乗務員、あるいは東京で指示を出す本部、警察などは当然としても、乗客の視点が少し余計な気がする。それ自体一つの象徴的なエピソードだというのはわかるが、それにしても周囲との折触があまりない金持ちの老人の視点まではいらないように感じた。

 全体としては、話そのものが随分と前のために、その辺りでの物足りなさもあるものの、話のテンポなど、楽しめる要素も十分にある。また、巻末の解説で、作者について、映画との関わりについてなど色々補足情報がるのも良いと思う。また、映画「スピード」など、いわれてみると、確かにこの作品を下敷きにしていると思われる作品が多いというのも面白い所だと思う。

2010年9月7日火曜日

レンタルマギカ 白の魔法使い

レンタルマギカ 白の魔法使い
三田誠
角川書店
角川スニーカー文庫 S 177-18
平成22年7月1日 初版発行
978-4-04-424924-3 C0193
313ページ
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 第3部になって第2弾。

 一つ前の『レンタルマギカ  銀の騎士と魔法使い』のときも感じたが、やはり第3部に入って以降、物語のテンポが急速に上がっている。それ以前が割と濃密だったからかもしれないが、ここ2作のスピード感は際立っている。今回も、敵方である「螺旋なる蛇(オピオン)」の幹部たちが(勿論全員ではないが)ずらりと登場し、この辺りの展開だけ見ると、ほとんどラスト手前かというほどになっている。折角第3部にもなったばかりだし、すぐに完結ということは無いと思うけど、そうなってくると、先の展開が読めなくなってきて、ますます楽しめるかもしれない。

小説家という職業

小説家という職業
森博嗣
集英社
集英社新書 0548F
2010年6月22日 第1刷発行
ISBN:978-4-08-720548-0 C0295
199ページ
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 『自由をつくる自在に生きる』、『創るセンス 工作の思考』の「自由」、「工作」に続く集英社新書からのエッセイの3冊目。

 前2作は、これまでブログや書籍などで書かれた内容を、それぞれのテーマにまとめたという性格の本であり、細かい部分についても既出のものが多いという印象を持った。今回も無いようについては、これまで展開してきたものをもう一度述べているだけなので、そういう意味での驚きは無い。ただ、前2作と違う点は、今作はこれまでの記述よりもより踏み込んだ内容、具体的な内容があるということだ。勿論出版社名を出しての批判などではなく、具体的にどのようなプロセスが行われたのか、ミスに対してどのような対応がされたのか、など出版界にいなければなかなか想像出来ない話が色々と載っていて面白い。

 また、出版社に対する意見や、将来の出版に対する展望も興味深い。出版社に対して批判的なことをいう作家というと、自分が何かのトラブルに巻き込まれたりして感情的になっている人間が多い気がするが、本書ではそういった感情抜きで、冷静に見ている。電子出版などについても、同様で、いわゆるジャーナリストといった作家ではない人間の意見ではなく、実際に何冊もの本を出している作家の側から見ているという点で意味があると思う。

財津和夫の曲たちII ~たくさんのアーティストへの提供曲集~

財津和夫の曲たちII ~たくさんのアーティストへの提供曲集~
財津和夫
Victor
2009
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 『財津和夫の曲たちI』がソロベストだったのに対し、2は他のアーティストへの提供曲やカバー曲を集めたアルバム。

 男女を問わず、また、70年代から、2008年の伴都美子や平原綾香まで、非常に幅広い、という印象を受ける。これまでに他のアーティストへ提供した曲は(解説によると)200を超えるそうだから、本来なら1枚に収めようという方が凄いと思う。勿論、あえて、1枚17曲を選んだのだろうが、折角だからもっと色々な曲を聴いてみたいとも思う。また、これは提供したアーティストが歌ったバージョンだが、セルフカバーをしているものも少し聞いてみたいと思った。

生命保険のカラクリ

生命保険のカラクリ
岩瀬大輔
文藝春秋
文春新書 723
2009年(平成21年)10月20日 第1刷発行
2010年(平成22年)2月5日 第6刷発行
ISBN: 978-4-16-660723-5
C0233
235ページ
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 生命保険会社がどのようにして設けているのか、その裏側を書いている。ここでの内容は、ごくごく常識的な論理と簡単な数字で進められており、保険についての知識が特になくとも理解出来る。そして、その多くは、保険業界にとっては、あまり有り難くない内容だ。実際に保険に入ろうとする人が、どの程度まで、下調べをして保険会社や契約を決めるのかは個人差があるだろうが、両者の間の情報は良は勿論、それらのリテラシーについても、あまりにも差があるだろう。そういった意味でも、誰でもが読める(そして、理解出来る)形で、こういった本が出てくるのは非常に大きな意味があると思う。

 本書は、ネット生保の副社長の立場にある著者が書いたものだが、同社の成立過程や或いは、宣伝のような記述は、全くの0ではないがほとんど見られず、中立の立場、あるいは加入者の側に立った内容となっており、その点も良かったのではと思う。

うみねこのなく頃に Episode4 Alliance of the golden witch (下)

うみねこのなく頃に Episode4 Alliance of the golden witch (下)
竜騎士07
講談社
講談社BOX リA-25
2010年8月2日 第1刷発行
ISBN: 978-4-06-283754-5
C0093
382ページ
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 第4話の下巻。

 上巻と同じく、1986年の事件とその12年後という二つの時間軸で並行して、進んでいく。分量的にも、内容的にもここまでの中では一番読み応えがある巻だと思う。ただ、やはりまだこの巻では解決せず、次回に持ち越し。その点では、やはり物足りなさは残る。ただ、この巻で必要な情報は揃ったというような記述があとがきにもあるので、そろそろ解決に向けて動き出しそうではある。『ひぐらしー』のときのように、また、一回では終わらないだろうが、のんびり読んでいきたい。

グーグル時代の情報整理術

グーグル時代の情報整理術
ダグラス・C・メリル&ジェイムズ・A・マーティン
千葉敏生 訳
早川書房
ハヤカワ新書juice 009
2009年12月20日 初版印刷
2009年12月25日 初版発行
ISBN: 978-4-15-320009-8
C0265
366ページ
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Getting Organized in the Google Era: How to Get Stuff out of Your Head, Find It When You Need It, and Get It Done Right
by Douglas C. Merrill & James A. Martin
2010
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 グーグルのCIOを勤めた人物の書いた整理術の本。読み易いし、また、面白いと思うが、「整理術」という文脈で言うと、特別に新しい情報は無いと思う。

 まず社会が課す様々な制約の中で、どのように考えて行動するか、という話。次に、アナログによる整理(紙)とデジタルによる整理の話(クラウド)、また、Gメールなどのグーグルのツールをどう利用するのか、という話。そして、最後に、仕事とプライヴェートとの関わり方についての話が少し。

 パート1と、パート2に書かれているのは主として、自らが置かれた状況の中で、いかにして行動するか、という話だ。ここで展開されている、覚えるべき事柄に物語を結び付けて記憶する、或いは、無理に整理せずに、後から検索などで調べられるようにしようというのは、それぞれ、森博嗣がブログやエッセイというで書いている内容、また、野口悠紀雄の超整理法などで書かれている方法と基本的に共通だ。グーグルのサービスについては、整理法という点は別にしても数多くの本で解説されている。

 このように、一つ一つのトピックとしては、新しい要素は無いが、洋の東西を問わず、良く似た方法が出てくるというのは、それはそれで興味深い。また、エピソードなども交えつつで読み易いし、各章末にその章の内容がまとめられており、その点でも好感が持てる。結局の所、自分はどうしたいのか、どうありたいのか、まずはそこを見極める必要があるのかもしれない。少なくとも方法としては幾つもあるのだから。

2010年9月4日土曜日

東大式 世界を変えるイノベーションのつくりかた

東大式 世界を変えるイノベーションのつくりかた
東京大学 i・school編
早川書房
2010年5月20日 初版印刷
2010年5月25日 初版発行
ISBN: 978-4-15-209132-1
C0034
153ページ
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 東大で行われたワークショップについてまとめた本。全体としては物足りない。

 本書に書かれたいる内容それ自体は、非常に興味深いし、また有意義なことだと思う。ただ、本書を読んだ人間が、やってみようと思って実行出来るかというと、まず余程のことが無い限り難しい。自身の考え方を少し変えてみるという程度ならまだしも、必然的に周囲を巻き込まざるを得ないので、よほど周囲が協力的であるか、集団として意図的にそういう方向に持っていこうという意志がなければどうしようもない。

 また、本書の立ち位置と言うか、目的もイマイチ定まっていない気がする。ハウツー本的な形で、イノベーションの手法を紹介することが目的だとしても、あるいは、具体的にワークショップで行われたことを紹介するとしても、余りに簡単に先へ先へと進んでいって、一つ一つの事例についての情報が必要最小限で、どのようなことが起きたのか想像する余地があまりない。あくまで、「東大でこんなことがあった」と簡単に紹介する、という以上の効果はないように思う。

扱っている内容自体は、非常に面白いので、もっと濃いものが読みたい。

うみねこのなく頃に Episode4 Alliance of the golden witch (上)

うみねこのなく頃に Episode4 Alliance of the golden witch (上)
竜騎士07
講談社
講談社BOX リA-24
2010年7月1日 第1刷発行
ISBN: 978-4-06-283753-8
C0093
378ページ
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 第4話の上巻。

 これまでの3話が、ヴァリエーションの違いこそあれ、同じ物語を繰り返している問い埋めんが割と強かったのに対して、今回は新たなキャラクターの視点で、事件当時よりも先の時間軸から、物語を見るという側面があり、その点でひと味違った感じにはなっている。ただ、上下巻に分かれているのもあると思うが、これといって大きな動きはなく、むしろ回想シーンなどが多く、冗長な印象が強い。当然意図してやっていることだと思うが、もっともっと濃く、強い方が自分の好みに合っている。

天地明察

天地明察
冲方丁
角川書店
平成21年11月30日 初版発行
平成22年5月20日 12版発行
ISBN: 978-4-04-874013-5
C0093
475ページ
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 冲方丁の本。話題の本。2010年本屋大賞受賞の本。

 内容紹介のなどから、この本がいわゆる時代小説とよばれる種類の本だとあったので、あまり読む気はしなかった。ただ、本人のブログなどを見て、色々と思い入れもあるようだし、何より冲方丁の作品であるので十分に信頼出来るので、(話題になっていたり、賞を取った本を読むというのは、少々癪だった。というか、そもそもこういう賞があること自体、今回初めて認識したし、面白い本が受賞するわけでもなく、まあ、宣伝の一種程度としか思っていなかったが、折角なので)読んでみた。

 結論。面白い。冲方丁というブランドであるので、面白いというのは初めからわかっているつもりだったが、それでも面白いと思った。ただ、それでも、同時に物足りなさも感じた。『ばいばい、アース』や『マルドゥック・スクランブル』と比べたとき、単純に物量の差か、それとも、完全なフィクションと元となる史実があることによるものか、あるいは、雑誌に連載していたことによるのか、判然としないが、なんとなく物足りなく感じた。

 これまでの『ばいばい、ー』や『マルドゥックー』では、ある場面の描写は、これでもかというほど、濃密に描かれているが、今作では、むしろその反対に、数年、十数年という長い時間を、圧縮して描いている。その辺りの書き方の違いが、物足りなさ、もっともっと濃い作品が書けるはずだと感じてしまう要因かもしれない。

 そういった部分での欲求不満は残るし、個人的な好みとしてはやはり、『ばいばい、ー』や『マルドッゥクー』の方が好きだが、本書も勿論、非常に楽しめた。あるいは、暦や、和算についての解説本のようなものも別にあると面白いかもしれない。

2010年9月1日水曜日

デュラララ!!×8

デュラララ!!×8
成田良悟
アスキー・メディアワークス
電撃文庫 な-9-35
2010年6月10日 初版発行
ISBN:978-4-04-868599-3
C0193
357ページ
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 シリーズ8作目。

 始まりはいつもと同じ。事件に、自分から首を突っ込んでいったり、あるいは、無理矢理に巻き込まれたり。いつもと違っているのは、今回は一線を越えること。これまで、巻き込まれつつも傍観者として、ある意味安全にいた人物までも、安全ではなくなる。それを見た時に、どう動くのか。この巻では、まだ動くまでは行っていない。ただ、一度一線を越えた以上、同じことが起きる可能性は格段に高くなる。そのとき、セルティはどう動くか。

 また、この8巻を終えて、ぐるりと1周して、1巻とよく似た状況になったような気がする。もちろん、これまでの経緯もあり、全く同じではない。3人の立ち位置、目指すものも当初とは異なる。プレイヤーも違う。ただ、3人が3人とも、互いに助け合うことが出来ずにもがく(であろう状況は、まだ起きていないが)、というのは1巻とだぶって見える。だからこそ、1巻とだぶる部分、或いは違う部分。どこに現れてくるのか。次を楽しみにしたい。