2010年9月4日土曜日

天地明察

天地明察
冲方丁
角川書店
平成21年11月30日 初版発行
平成22年5月20日 12版発行
ISBN: 978-4-04-874013-5
C0093
475ページ
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 冲方丁の本。話題の本。2010年本屋大賞受賞の本。

 内容紹介のなどから、この本がいわゆる時代小説とよばれる種類の本だとあったので、あまり読む気はしなかった。ただ、本人のブログなどを見て、色々と思い入れもあるようだし、何より冲方丁の作品であるので十分に信頼出来るので、(話題になっていたり、賞を取った本を読むというのは、少々癪だった。というか、そもそもこういう賞があること自体、今回初めて認識したし、面白い本が受賞するわけでもなく、まあ、宣伝の一種程度としか思っていなかったが、折角なので)読んでみた。

 結論。面白い。冲方丁というブランドであるので、面白いというのは初めからわかっているつもりだったが、それでも面白いと思った。ただ、それでも、同時に物足りなさも感じた。『ばいばい、アース』や『マルドゥック・スクランブル』と比べたとき、単純に物量の差か、それとも、完全なフィクションと元となる史実があることによるものか、あるいは、雑誌に連載していたことによるのか、判然としないが、なんとなく物足りなく感じた。

 これまでの『ばいばい、ー』や『マルドゥックー』では、ある場面の描写は、これでもかというほど、濃密に描かれているが、今作では、むしろその反対に、数年、十数年という長い時間を、圧縮して描いている。その辺りの書き方の違いが、物足りなさ、もっともっと濃い作品が書けるはずだと感じてしまう要因かもしれない。

 そういった部分での欲求不満は残るし、個人的な好みとしてはやはり、『ばいばい、ー』や『マルドッゥクー』の方が好きだが、本書も勿論、非常に楽しめた。あるいは、暦や、和算についての解説本のようなものも別にあると面白いかもしれない。

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