2010年10月13日水曜日

ママ、死体を発見す

ママ、死体を発見す
クレイグ・ライス
水野恵 訳
論創社
論創海外ミステリ48
2006年4月10日 初版第1刷印刷
2006年4月20日 初版第1刷発行
ISBN: 4-8460-0663-8
C0097
290ページ
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Mother Finds a Body
by Craig Rice
1942
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 クレイグ・ライスによるジプシー・ローズ・リー名義による第2作目。

 この作品も、また、同じくジプシー・ローズ・リー名義の第1作目にあたる『Gストリング殺人事件』も文字情報としては知っており、読んでみたいと思っていたがなかなか読む機会が無かった。今回(と言っても2006年に邦訳が出たので少し時間は経っているが)、多少不安はあったが面白かった。

 そもそもクレイグ・ライスではなく、別名儀として書かれたもの(と言われているらしいが確たる証拠があるというわけでは無いそう。そのためか、アメリカのアマゾンでは、ジプシー・ローズ・リー名義で出ている)ということもあり、自分の知っているライスの作品と雰囲気が違いのでは、と危惧していたが、読んでみる限りその作風はライスのそれと変わりがないと思う。最初のうちは、いつものシリーズと違いなじみが無い人物(とサルとかネズミとか犬とか)が出てきたり、元ストリッパーの現ブロードウェイ女優一行の新婚旅行などなかなか様子が思い浮かべづらいが、死体をめぐって二十三重にドタバタが起きて、という展開はお約束。一旦スピードついてからは一気に読める。

 今作はシリーズの2作目にあたる作品であるので、出来れば前作の『Gストー』の方も読んでみたいと思う。少なくとも、近場の図書館を調べた限りだとなさそうなので(邦訳は1950年に汎書房から)、それこそ国会図書館にでも行かないとダメそうなので、ぜひ出してもらいたい。

2010年10月12日火曜日

大誘拐

大誘拐
天藤真
東京創元社
創元推理文庫 M て 1 9 408 09 天藤真推理小説全集9
2000年7月21日 初版
2005年7月15日 14版
ISBN: 4-488-40809-5
C0193
456ページ
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 第32回日本推理作家協会賞長篇賞受賞作。

 普通は「〜賞」受賞というような煽り文句や映像化といった話は、作品が面白いかどうかの判断にはそれほど当てにならないし、また、そもそも気にしてもいないけれど、この作品に限っては間違いなく大当り。これまでにもこの創元推理文庫に入っている天藤真の作品は何作か読んでいるし、また、それらも非常に面白いと感じたが、それらと比べても、今作の方がずっと良かったと思う。

 まず何よりもキャラが良い。メインになって動く誘拐犯3人、誘拐される刀自、それを追いかける(或いは翻弄される)警察、それぞれが真剣になって突き進んでいく様は、物語のテンポもあって読んでいて非常に臨場感がある。また、作品が発表されたのが今から大分前であるにもかかわらず、古さを感じない点が凄いと思う。勿論、色々な点で今ではあり得ないような所もあるが、それでも、核となる部分の面白さは損なわれてないと思う。仮にもし、またこの作品を映像化しようとしたとしても、十分に通じるものが出来ると思う。

ストラング先生の謎解き講義

ストラング先生の謎解き講義
ウィリアム・ブリテン
森英俊 編
森英俊/白須清美 訳
論創社
論創海外ミステリ94
2010年8月15日 初版第1刷印刷
2010年8月25日 初版第1刷発行
ISBN: 978-4-8460-1054-6
C0097
361ページ
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Mr. Strang Gives a Lecture and Other Stories
by William Brittain
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 ウィリアム・ブリテンのストラング先生シリーズの短編集。

 この「ストラング先生シリーズ」もまたもうひとつの「〜を読んだ」シリーズもそのタイトルだけは聞いたことはあっても、古いミステリマガジンにいくつか掲載されたのみで、なかなかまとめて読むことが出来なかったが、こうやって短編集という形でまとめられようやく読むことが出来るようになった。「〜を読んだ」シリーズがシリーズといいつつも、それぞれの短編自体の関連が無いのに対し、こちらはストラング先生を主人公に通常の意味でのしリーズになっているので、その点でこちらの方が読み易いように感じた。

 また、この作家の作品自体なかなかお目にかかることがないため、どうしても翻訳されたこと自体がある意味で非常に幸運だと思いがちで(実際、このシリーズも1冊にまとめられたりはしていないようだし)、どうしても作品自体の出来に対する評価が甘くなりがちだが、この短編集に関していえば、そういった面を差し引いても、ストラング先生のキャラクターも、ミステリとしての出来自体も非常に良く、とても楽しんで読むことが出来た。まだ、今回の短編集に収められた作品以外にも何編かあるようなので、これ1冊で終わりではなく、残っている作品もぜひ読んでみたい。

2010年10月9日土曜日

今宵、バーで謎解きを

今宵、バーで謎解きを
鯨統一郎
光文社
カッパ・ノベルス
2010年4月25日 初版1刷発行
ISBN: 978-4-334-07694-8
C0293
228ページ
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 『九つの殺人メルヘン』、『浦島太郎の真相—恐ろしい八つの昔話』につづくシリーズ第3弾。

 ヤクドシトリオ+1によるこのシリーズも、流石にマンネリな感が強いが、そのマンネリを無理になんとかしようとせずに、むしろ逆手に取って結構好き勝手なことをやらしているように思う。その辺りも含めて、毎度事件をギリシャ神話に絡める強引さも、ある意味でこのシリーズの魅力だと思う。勿論、真剣に読む漢字はあまりしないが、ちょっと気楽な漢字で読むには適していると思う。

学園キノ4

学園キノ4
時雨沢恵一
アスキー・メディアワークス
電撃文庫 し-
2010年7月10日 初版発行
ISBN: 978-4-04-
C01
297ページ
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 シリーズ第4作目。

 当初、2巻くらいまでは、パロディ色が強く、ほとんどストーリーも何もないままにそれぞれのキャラクターが暴走しているという感じが強かった(というか、暴れるために適当なストーリーをくっつけたという雰囲気だった)が、3巻で多少印象が変わり、ややまともなストーリーがついた。そして、今回も引き続きどちらかというとストーリーの比重が少し大きいように感じる。もちろん、同じくらいに暴れてもいるが。その辺りは、まともになったと喜ぶべきか、それとも牙を抜かれたと見るか。バランスが難しい。個人的な印象としては少し、ストーリー側により過ぎな気がする。

 ちなみに、一番印象に残ったのは「あめんぼの歌」。

オリジナルドラマCD 不問語(=とわずがたり)

オリジナルドラマCD 不問語(=とわずがたり)
脚本/西尾維新
講談社
講談社BOX ニA-20
2010年1月21日 第1刷発行
ISBN: 978-4-06-283734-7
C0493
63ページ
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 『佰物語』が『化物語』の方のキャラクターによるドラマCDだったのに対し、こちらは『刀語』のキャラによるもの。

 タイトル通りというか、キャラクターらによる掛け合いは無く、ひたすら一人で喋り続けているものが5本。確かにタイトルとは合っているけれども、面白くはない。もちろん、その内容からそのキャラクターの性格とかは何となくわかるかもしれないが、正直、どういう層を対象としているのかわからない。既に原作を読んでいる人には不要だし、アニメから入る人に取っては不親切だし、一つの実験としては有りかもしれないが、イマイチ効果的でないように思う。ついでに、アニメ放送の始まる前に発売するためか、各キャラクターのイメージが固まる前に収録されたようで、その辺りもイマイチぱっとしない要因かもしれない。

バッカーノ!1710 Crack Flag

バッカーノ!1710 Crack Flag
成田良悟
アスキー・メディアワークス
電撃文庫 な-9-34
2010年4月10日 初版発行
ISBN: 978-4-04-868459-0
C0193
357ページ
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 『1705年』に続く、まだ不死者になる前の物語。

 この後の、誰が生きていて誰がいないのかを知って読んでいるので、最終的な結末自体はある意味わかっていたけれど、それでも、色々と感じる所がある。このシリーズは途中二転三転あったとしても、最後には丸く収まるような、そういうところがあるが、今作に関しては最後が一番残酷だった。このシリーズを読んでいる人の中でも、人によって好き嫌いがあると思う。