2011年2月15日火曜日

現代語裏辞典

現代語裏辞典
筒井康隆
文藝春秋
2010年7月30日 第1刷発行
ISBN: 978-4-16-372790-5
C0095
446ページ
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 色々な言葉を勝手に再定義した辞典。ダジャレ、下ネタ(と差別語など)が多い。辞典らしくかなり守備範囲が広く、年代的に良くわからないものも多数。一方で、非常にタイムリーなものもある。また、相撲の八百長など、執筆時には(一応)問題になっていない言葉でも、今改めて見るとはっとするものも結構ある。全体的に不真面目で、遊び心が感じられるが、時々、物事の本質を突くような、思わず納得してしまうようなものもある。今辞典を楽しめるかどうかは、読み手にもよると思うが、たまにはこういう読書もいいかもしれない。

2011年2月8日火曜日

ミスマルカ興国物語VIII

ミスマルカ興国物語VIII
林トモアキ
角川書店
角川スニーカー文庫 S 150-27
平成23年1月1日  初版発行
ISBN: 978-4-04-426624-0
C0193
252ページ
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 シリーズ第8巻。第2部のスタート。

 前巻のラストを受けての、第2部の始まり。この巻では、あくまでも第2部のための準備というか、本格的に動き始める前に舞台の上を整理し、何がどうなっているのかを確認するための巻になっている。そのため、物語全体はとても静かで、ラストの章でようやくエンジンがかかってきたという感じ。これまでは非常に騒がしい、というか、バタバタした作品だという印象があったが、この巻に限ってなのかどうか、とても落ち着いた作品だと思った。

喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr. Kishima

喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr. Kishima
森博嗣
講談社
2010年10月25日 第1刷発行
ISBN: 978-4-06-216636-2
C0093
343ページ
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 講談社の創業100周年記念の「書き下ろし100冊」の1冊。

 この小説はミステリではない。あくまで小説である。クリーンでサイレントな世界を書いた小説だ。

 この小説の主人公や、登場人物の一人である喜嶋先生のあり方というのは、森博嗣の作品を好んで読んできた人間からすると、これまでの作品やブログの内容と、自然につながるものである。そこからきれいに上澄みを取ってきて小説にしたような、そういった風だと思う。だから、その内容についても肯定的な印象を得るだろう。その一方で、それ以外の人、森博嗣の作品が合わない人、この作品の中で言うと、喜嶋先生を理解出来ない人(少なくともそう考えている人)、要するに主人公以外のほぼ全員は、全く逆の評価を下すのではないかと思う。そういった人からすると、このようなあり方は、全く理解出来ないものであるし、また、異物でもある。この意味に置いて、この小説は、読み手によって、受ける印象が全く変わってくると思う。或いは、誰もが同じように絶賛するものではなく、読み手によって全く異なる面を見せるのが小説かもしれない。

2011年2月7日月曜日

神様ゲーム8 カミニナニヲワタスベキ?

神様ゲーム8 カミニナニヲワタスベキ?
宮﨑柊羽
角川書店
角川スニーカー文庫 S 188-11
平成23年1月1日 初版発行
ISBN: 978-4-04-471411-6
C0193
472ページ
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 シリーズ第8巻。前作7巻の続き。

 7巻が2008年8月に出ているので、約2年半ぶりの新作。内容的には7巻の後編。このシリーズを読むのが大分久しぶりになるので、細かい設定や7巻の展開など、色々思いだしながら読んだ。印象としては、盛沢山というか、やや重たい感じを受けた。前巻から第無事間が開いているというのもあるのかもしれないが、もう少し、シンプルでもいいように思う。

 シリーズ全体に関わる部分についても、また少し進んだことは確かだが、まだ全体が見通せるほどではない。何はともあれ、変な中断のまま未完で終わるということは無くなったと見て良さそうなので、次巻がそう遠くないうちに出ることを期待したい。

 また、本編とは直接関係はないが、表紙や口絵のイラストの感じが変わったようだ。その辺りはあまり詳しくはわからないが、例えるなら、手書きからPCに成ったような感じ。ただ途中の挿絵は、そうはなっていないが。

2011年2月5日土曜日

無貌伝 〜人形姫(=ガラテア)の産声〜

無貌伝 〜人形姫(=ガラテア)の産声〜
望月守宮
講談社
講談社ノベルス モI-03
2010年12月6日 第1刷発行
ISBN: 978-4-06-182754-7
C0293
324ページ
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 シリーズ3作目。

 時期的に言うと、既刊2作の数年前の出来事について。主要な登場人物は確かに前2作と共通するところはあるが、その人となりなどはこれまでの作品から抱いてきたイメージとは異なり、ほとんど別の作品ととらえた方が近いと思う。それは、登場する人間に対しては勿論、このシリーズの最重要人物であるはずの無貌に対してもそうで、これまでのある意味で探偵に対して敵対するといった立ち位置ではなく、どちらかというと、事件の傍観者といった風である。全体としてみて、今作は、単純にこれまでの続編とか、前日談としてとらえるよりも、ヒトデナシというギミックをもつ一つのミステリとして見るのが適当ではないかと思う。