喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr. Kishima
森博嗣
講談社
2010年10月25日 第1刷発行
ISBN: 978-4-06-216636-2
C0093
343ページ
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講談社の創業100周年記念の「書き下ろし100冊」の1冊。
この小説はミステリではない。あくまで小説である。クリーンでサイレントな世界を書いた小説だ。
この小説の主人公や、登場人物の一人である喜嶋先生のあり方というのは、森博嗣の作品を好んで読んできた人間からすると、これまでの作品やブログの内容と、自然につながるものである。そこからきれいに上澄みを取ってきて小説にしたような、そういった風だと思う。だから、その内容についても肯定的な印象を得るだろう。その一方で、それ以外の人、森博嗣の作品が合わない人、この作品の中で言うと、喜嶋先生を理解出来ない人(少なくともそう考えている人)、要するに主人公以外のほぼ全員は、全く逆の評価を下すのではないかと思う。そういった人からすると、このようなあり方は、全く理解出来ないものであるし、また、異物でもある。この意味に置いて、この小説は、読み手によって、受ける印象が全く変わってくると思う。或いは、誰もが同じように絶賛するものではなく、読み手によって全く異なる面を見せるのが小説かもしれない。
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