2011年5月31日火曜日

"20 Years" by The Civil Wars

"20 Years"
by The Civil Wars
from album "Barton Hollow"
2011
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静かな曲。フォークになるのか。ノラ・ジョーンズなどを聴いても思うが、レディ・ガガのような派手なのがある一方で、こういう落ち着いた曲調のものがある。その幅の広さがアメリカの強さ、良さかもしれない。日本では、こういうタイプはなかなか出てこないだろう。

cf. Link to Official Site,
cf. Link to Wikipedia on The Civil Wars and on the album "Barton Hollow",

"20 Years"
by The Civil Wars


NHKみんなのうた ベスト

NHKみんなのうた ベスト
キングレコード
2006
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 KING TWIN BEST Seriesの一つ。

 タイトル通り、NHKのみんなのうたの曲を集めたアルバム。昔小さい頃に聞いたことのある曲も幾つもあり、非常に懐かしい。非常に懐かしい一方、いくつか不満点もある。具体的にいうと、こちらの興味ある情報が得られないことだ。

 このアルバムに収録されている曲の中には、オリジナルの歌手が歌っているものと別の歌手によるカバーしているものが混在している。また、オリジナルの歌手によるものであっても、何パターンかアレンジの異なるバージョンの曲もある。

 例えば、WIkipediaによると、「山口さんちのツトム君」は川橋啓史がオリジナルのようだが、「北風小僧の寒太郎」は堺正章のバージョンではないし、「赤鬼と青鬼のタンゴ」は尾藤イサオが歌っているがアレンジが違っている。

この辺りの解説がなされていると良いのだが、残念ながらそうはなっていない。いくつかの曲はWIkipediaなどでも情報を見ることが出来るが、NHKならば正確な情報を持っているはずなのだから、その辺りを充実させて欲しい。小さい子供だけを購買対象とするなら関係ないのかもしれないが、もう少し上の年齢層にアピールする要素を入れても良い気がする。

 収録されている中で、良いなと思ったのは、「切手のないおくりもの(ペギー葉山)」とか「オナカの大きな王子さま(ボニージャックス)」、「さとうきび畑(上條恒彦)」、「トレロ カモミロ(西六郷少年少女合唱団)」、「いたずラッコ(水森亜土)」などなど。また、珍しいものとしては「おふろのうた(五百木佑野)」、「星うらないキラキラ(少年少女合唱団みずうみ)」など。

2011年5月29日日曜日

自分探しと楽しさについて

自分探しと楽しさについて
森博嗣
集英社
集英社新書 0580C
2011年2月22日 第1刷発行
ISBN: 978-4-08-720580-0
C0236
188ページ
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 これまでにも、『自由をつくる 自在に生きる』などの新書や、ブログ、その他エッセイなどでも、どのように自分のしたいことが出来る環境を作っていったのか、については書いていたが、それらをもう一度まとめた本。本書は、『自由ー』、『創るセンス 工作の思考』、『小説家という職業』などに比べると、やや抽象的になっている。

 以前に、ブログ等で見ていたので、本書で述べられていることで、特に新しいことはないように思う(これは初めて見たと思ったのは、これまでの庭園鉄道を放棄した、ということくらいだ)。また、読んで感じたのは、かなり丁寧に書いているな、という印象を受けた。勿論これは、初めて読む読者用に、ということだとわかるが、随分と至れり尽くせりだな、と思う。

 本書や、集英社新書から出た三冊は、それぞれあるテーマの下に書かれている。が、これというテーマを絞らずに、エッセイ等を読む方が、森博嗣の考え方はわかるような気がする。

古道具屋皆塵堂

古道具屋皆塵堂
輪渡颯介
講談社
2011年2月23日 第1刷発行
ISBN: 978-4-06-216743-7
C0093
260ページ
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 浪人左門シリーズではない作品としては、初めての作。ただ、舞台背景やテイストなどは変わらず、怪談アリのミステリ風といった感じ。そのため、これまでの浪人左門シリーズが気に入ったならば、こちらも問題なく入って行けるだろう(いつの間にか、文庫が出ている。個人的には、ソフトカバー&文庫版よりも、最初のノベルス版の表紙の方が好きだった)。

 構成は、長編一本ではなく、短編集の形式で、それらの短編が集まって全体として、一つの長編を形成している作り。短編一つ一つで解決してるので、まとまった時間がなくとも読み進められるという点では、読み易いと言える。

 作風が軽妙で、また、この作者の作品ならば、最後はキレイに終わってくれるだろう、という安心感があるので、楽しく読むことが出来る。その一方で、ややマンネリ感もある。今作は、浪人左門のシリーズではないが、では全く違うテイストかというと、そうでもない。似た筋書きの舞台を、違う役者で見ているような感じに近い。この作品のある人物の役割は、向こうのシリーズの誰某にあたる、などキャラクターの役割、機能が置き換わっただけで、大枠では変わっていないように見える。作風を壊さずに、その辺りをがらっと変えられると面白いかもしれない。

2011年5月16日月曜日

ムードコーラス ザ・ベスト・コレクション

ムードコーラス ザ・ベスト・コレクション
Victor
2009
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 ムードコーラスのコンピレーションアルバム。

 タイトル通り、いわゆるムードコーラスとよばれるジャンルの曲を集めたアルバム。ただ、注意しなければならないのは、誰が何を歌っているかだ。このアルバムの解説で簡単にだけ触れられているが、必ずしもオリジナルの歌手が歌っているわけではない。勿論、オリジナルのもあればカバーバージョンもあり、その点やや紛らわしい。解説も、歌詞カードはあるが、曲そのものや歌っているグループについての解説はほとんどない。知っている人は知っているかもしれないが、この辺りの情報、事情を解説してくれているとありがたいのだが。

新約 とある魔術の禁書目録(=インデックス)

新約 とある魔術の禁書目録(=インデックス)
鎌池和馬
アスキー・メディアワークス
電撃文庫 か-12-28
2011年3月10日 初版発行
ISBN: 978-4-04-870319-2
C0193
409ページ
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 タイトルに「新約」の二文字が入り、一新、第1冊目。

 またナンバリングが1から始まったが基本的には変わらず。前巻(22巻)の後の学園都市での出来事。単純に章変わりするだけなら、タイトルまで変更する必要はないような気もするが、この先どのくらいまで続くかはわからないが、仮に、30、40まで続くとすると、ライトノベルにしてそのナンバリングは少し腰が引けるかもしれない。その意味では、一旦、リセットするには良い機会かもしれない。

 本編で主に主人公を務めていた3人のうちの2人が活躍している点で、基本的な構造は以前の巻と変わらないが「新約」となったからか、いくつか異なっている点もある。例えば、主人公たちの関係性であり、あるいは、「科学」の進歩であったり。この辺りはこれまでも徐々に変化はあったのだろうが、以前のシリーズよりも一段階先へ進んだ、という印象を受ける。

 新章に入り、ストーリーがどこへ向かっているのかまだ見えない状況なので、先の展開を想像する楽しみもあり、これは今だけの楽しみ方だろう。

花物語

花物語
西尾維新
講談社
講談社BOX ニA-24
2011年3月29日 第1刷発行
ISBN: 978-4-06-283771-2
C0093
272ページ
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 『猫(白)』、『傾』につづく物語シリーズ新章の3冊目。

 今作は神原駿河の視点で語られる。そのため、『猫(白)』の時もそうだったが、それ以外のシリーズ作品とは印象が大分違う。外から見ている限り(アニメとか、オーディオブック版も含めて)、シンプル極まりない人格に見えていたキャラクターだったが、意外と悩んでいて、ちょっと意外だった。

 また、これまでが、時間の前後はあれど、物語の語り部が変われど、基本的には主人公阿良々木暦が高校生のときの話である点は一致していた。それに対し、今作はその卒業後ということで、若干時間が乖離しており、それに伴って所々物語の背景が変わっている。これも神原駿河を動かすため、ある意味必要からだと思うが、色々考えさせられる所でもあった。

 これまでシリーズは一通り読んで来ているけれど、新鮮、ある意味で一番青春な小説だったと思う。

LIMIT(=リミット) 2

LIMIT(=リミット) 2
フランク・シェッツィング
北川和代 訳
早川書房
ハヤカワ文庫NV NV-シ-25-9 NV-1221
2010年6月20日 印刷
2010年6月25日 発行
ISBN: 978-4-15-041221-0
C0197
565ページ
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LIMIT
by Frank Schätzing
2009
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 LIMIT4分冊の第2巻目。

 第1巻は、長い導入のような形で、3つの場面において、それぞれの場に登場する人物たちの紹介を中心に、これといった事件が起きないまま終わってしまった。それに対して、この2巻は3つの場面のうちの一つでかなり大きな進展が見られた。そもそもの時代背景が近未来となっていることもあり、物語内で使われるギミックもハイテクなものが多く、映像化したらなかなか面白そうな感じを受ける。

 1巻はやや退屈な印象を受けたが、その分、この2巻は躍動感があった。まだ4冊のうちの約半分が終わっただけだが、このペースで行くと、残り2冊はかなり盛り沢山な内容になりそうだ。あとは、1巻でも気になったことだが、中国語の人名、地名で読めないものが少なからずあることが気になる。中国語を勉強したことがある人は平気なのかもしれないが、ルビくらい振って欲しい。

2011年5月11日水曜日

LIMIT(=リミット) 1

LIMIT(=リミット) 1
フランク・シェッツィング
北川和代 訳
早川書房
ハヤカワ文庫NV NV-シ-25-8 NV-1220
2010年6月20日 印刷
2010年6月25日 発行
ISBN: 978-4-15-041220-3
C0197
590ページ
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LIMIT
by Frank Schätzing
2009
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 LIMIT4分冊の1冊目。まどこれといった事件は起きず。

 これまでのフランク・シェッツィングの著作でも感じたことだが、書いているテーマに関して相当綿密に下調べをしているという印象を受けた。本作では、今よりも少し未来の世界、科学技術の発達した世界、あるいは宇宙空間(無重力状態)での挙動など描写が非常に凝っている。

 難をいうなら、複数の場面を並行して、見ていくために、細かい時間で少しずつ読んでいこうとすると、なかなか登場人物が覚えられない。また、栞代わりに出来る登場人物表があるのはありがたいが、今作で数多く登場する、中国系の人名、地名の読み方もルビを振っていて欲しかった。本文中で振られているが、すべて覚えているわけでもなく、また、出てきたページを探すこともほとんど出来ないので、その辺りの対策があるとありがたいと思う。

2011年5月8日日曜日

監獄島 下

監獄島 下
加賀美雅之
光文社
カッパノベルス
2004年8月25日 初版1刷発行
ISBN: 4-334-07576-2
C0293
578ページ
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 『監獄島』下巻。『双月城の惨劇』に続く、シャルル・ベルトランのシリーズ2作目。

 前作『双月城ー』に続いて、血塗られた歴史、密室内の死、おどろおどろしい舞台設定などなどカーテイスト満載の今作である(時系列的には、こちらの方が『双月城ー』よりも先にあたる)。本作内で起きている事件やそこで使われているトリックなどに関して、特段の不満はない。勿論、冷静になって見れば、それは無理だろうというような部分も少なからずあるが、その辺りはご愛嬌というか、それも含めての魅力だと思うので、個人的には良いと思う。

 しかしながら、不満が全くないわけではない。具体的に言うと、2点ある。一つは、記述者を務めるワトソン役キャラクターの余りにもワトソンなところである。もう一つは上下巻それぞれ500ページ強という長さである。通常、ワトソン役を務める人物は、読者の代わりを担うという意味でも、あまり頭が良すぎないよう設定されている(読者と同程度か、少し頭が悪いくらいが多い)。本作に関して言えば、ちょっと悪すぎるというか、一つ一つが大げさに過ぎるきらいがある。したがって、2点目の不満点とも関わってくるが、地の文での記述、或いは会話の中でも説明口調が過ぎるところが気になる。

 また、ワトソン役に限らず、同じ説明の重複がやや多いのが目につく。会話の中で、或いは地の文で、ほぼ同じ内容を繰り返しているために、ページ数がかさばっている。本作に関して言えば、事件も数多く起こり、必然、長さも長くなりがちなので、それ以外の不必要な部分はシンプルにした方が、読み易く、また印象も強くなるのではないかと感じた。

監獄島 上

監獄島 上
加賀美雅之
光文社
カッパノベルス
2004年8月25日 初版1刷発行
ISBN: 4-334-07575-4
C0293
521ページ
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 『監獄島』上巻。感想は下巻と併せて。

2011年5月3日火曜日

双月城の惨劇

双月城の惨劇
加賀美雅之
光文社
カッパノベルス
2002年4月20日 初版1刷発行
ISBN: 978-4-334-07468-5
C0293
428ページ
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 ミステリ好きの作者の手によるクラシックなミステリ。

 作者は、カーが好きらしい。それは、探偵役を務める人物の名前にも表れているし、物語の舞台となる時代が1930年頃というのも、ミステリの黄金時代に対する思い入れの一つかもしれない。あるいは、作中に密室講義をしたという「ドクター・フェル」なる人物についての言及があったり、この作品の至る所にちりばめられたこういった装飾は、個人的にはど真ん中ストライクだ。しかし、だからこそその作品に対しての見る目は、他の作品以上に厳しくならざるを得ない。

 個人的な評価を下すなら、面白いと思う。ただ、不十分だ。もっともっと面白くなければならないと思うし、また、そうあって欲しい。

 執事やメイド、前々問題無し。不気味な伝説の残る城、大いに結構。少し単純でまた、頭の働きの鈍いワトソン役も必須だ。首無し死体に密室状況、素晴らしい。どれもこれも、大好きな要素ばかりだ。だが、しかし、解決部分(もしくは、真相)が良くない。途中の、事件が起きた段階で、色々と不可解な状況はあるが、それでもある程度先の展開が読めてしまう。もちろん、起きた事件すべての真相を完璧にわかったわけではない。しかし、部分部分、事件の要素を細かくしてみていくと、少なくない所でこちらの予想したものとそう違わない展開だった。

 たとえば、カーやクイーン、彼らと同時代の作品であるならばこれでいいだろう。ある意味、非常に素直、シンプルであるといえる。しかし、それらの一連の作品を読んでからならば、少なくともそこはクリアしてしかるべきだろう。やや欲張りな注文ではあるが、もう少し、こちらの予想を超える水準のトリック、真相が欲しい。

 これは本編の出来とは関係ないが、ノベルス版の最後についている作者インタビュー、これはもう少しまともなものにした方が良い。質問内容が云々というより、本文が2段組みでビッチリ、解説文も(1段組み)ビッチリ、の後にしては、余りに行間が空きすぎだ。特に深い考え無しに余白ページを埋めるためだけものものかもしれないが、やるならきっちりやり、体裁を整えるべきだ。そうでないなら、初めからやらない方が良い。立つ鳥跡を濁さず。

ファイナリスト/M

ファイナリスト/M
天原聖海
講談社
講談社BOX アC-01
2009年5月7日 第1刷発行
ISBN: 978-4-06-283707-1
C0093
702ページ
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 第3回講談社BOX新人賞・流水大賞優秀賞受賞作の作品。

 そもそもこの賞がどういうタイプの、どの程度の水準の作品に対して与えられるものなのかわからないので、その点は何とも言えないが、全体的にうーんというか、イマイチ乗り切れないまま終わってしまったような感じがする。

 大雑把に言ってしまえば、気弱な主人公の青年が周囲のクセの強い人たちにあれこれと言われつつ、徐々に成長、変化していく物語、と言えるだろう(これがこの作品での主題かどうかはともかくとして)。確かに、文章の端々でそのような印象を受ける。では、何が不満か、何が物足りないかと言えば、まず長い。勿論これ以上長い作品がないわけではないが、それでも約700ページというのは、長い。

 そして、その長さの割には、いまいち物語の濃度というものがそれほど感じられない。途中何度か見るべきポイントはある。探偵グランプリの経過もそうだし、その中で発生する事件もそうだ。しかし、それがあまり重要な役割を果たしてはいない。良くある探偵小説のように、事件が未解決のまま最後まで引っ張っていって、探偵役鮮やかに解決してみせる、ということもなく、それほど時間もかからずに、ひとまず解決はされる(それが真相とは限らないが)。

 だから、大きな山場を迎えることなく、最終盤まで行ってしまう。それ故に、この700ページという長さが、若干苦痛に感じられてしまう。キャラクターの持つ個性などは、面白いと思うので、もっとコンパクトにして、一点集中ではないが、力の入れ具合を工夫してみたら良いと思う。