ファイナリスト/M
天原聖海
講談社
講談社BOX アC-01
2009年5月7日 第1刷発行
ISBN: 978-4-06-283707-1
C0093
702ページ
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第3回講談社BOX新人賞・流水大賞優秀賞受賞作の作品。
そもそもこの賞がどういうタイプの、どの程度の水準の作品に対して与えられるものなのかわからないので、その点は何とも言えないが、全体的にうーんというか、イマイチ乗り切れないまま終わってしまったような感じがする。
大雑把に言ってしまえば、気弱な主人公の青年が周囲のクセの強い人たちにあれこれと言われつつ、徐々に成長、変化していく物語、と言えるだろう(これがこの作品での主題かどうかはともかくとして)。確かに、文章の端々でそのような印象を受ける。では、何が不満か、何が物足りないかと言えば、まず長い。勿論これ以上長い作品がないわけではないが、それでも約700ページというのは、長い。
そして、その長さの割には、いまいち物語の濃度というものがそれほど感じられない。途中何度か見るべきポイントはある。探偵グランプリの経過もそうだし、その中で発生する事件もそうだ。しかし、それがあまり重要な役割を果たしてはいない。良くある探偵小説のように、事件が未解決のまま最後まで引っ張っていって、探偵役鮮やかに解決してみせる、ということもなく、それほど時間もかからずに、ひとまず解決はされる(それが真相とは限らないが)。
だから、大きな山場を迎えることなく、最終盤まで行ってしまう。それ故に、この700ページという長さが、若干苦痛に感じられてしまう。キャラクターの持つ個性などは、面白いと思うので、もっとコンパクトにして、一点集中ではないが、力の入れ具合を工夫してみたら良いと思う。
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