2011年9月1日木曜日

サトリ〔下〕

サトリ〔下〕
ドン・ウィンズロウ
黒原敏行 訳
原案/トレヴェニアン『シブミ』
早川書房
2011年3月20日 初版印刷
2011年3月25日 初版発行
ISBN: 978-4-15-209209-0
C0097
319ページ
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Satori
by Don Winslow
2011
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 ドン・ウィンズロウ作『サトリ』の下巻。トレヴェニアンの『シブミ』の空白を埋める作品にして続編。

 トレヴェニアンの『シブミ』という、1979年出版にしてもはや既に「古典」といって差し支えないような存在となった作品の前日譚にして続編となる作品。作者が亡くなった場合など、別の作家がシリーズを続けるのは、007シリーズのイアン・フレミング→ジョン・ガードナー→レイモンド・ベンソンの例を初めとして、そう珍しいものでもないと思うが、そもそもシリーズでもなく、まして約30年も前の作品の続編というのは、そうないのではないかと思う。その意味では、そもそもこの企画を思いついた編集者、また、それを実行出来る人間の所に話を持っていったというのが、何よりファインプレーだったと思う。

 トレヴェニアンの『シブミ』においては、主人公ニコライ・ヘルの少年時代と暗殺者を引退した後の時代を描写しているのに対し、この『サトリ』では、暗殺者としての最初の事件が描かれている。ある意味、静と動というかたちで対称的になっている点が面白い。また、今作の作者であるドン・ウィンズロウがトレヴェニアンの作品を本当にリスペクトしているということを伺わせる描写が、そこかしこに見られるのも嬉しい。シャーロック・ホームズのパロディ物などでも出来の良い作品には、思わずニヤリとさせられるような描写があるが、今作でも同様だ。

 更に嬉しいのは、ドン・ウィンズロウ本人はこのニコライ・ヘルのシリーズを書くことをかなり乗り気らしい。勿論、現時点で更なる続編の情報は全くないが、そう遠くない将来、あるいは第3作があるかもしれない。

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