2012年7月29日日曜日

アニメ『化物語』副音声副読本(上)

アニメ『化物語』副音声副読本(上)
西尾維新
講談社
講談社BOX ニA-28
2012年4月
ISBN: 978-4-06-283799-6
C0093
314ページ
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 アニメDVD&ブルーレイ版の副音声の原稿の元を書籍化したもの。

 アニメをDVD化して販売というのは、最近では最早当たり前すぎるが、その価格設定は正直、ひどすぎる。そういう現状を考えると、アニメ本編に対して、何かしらのおまけをつけるというのはあるが、それにしては、これはこれでやりすぎな気もする。ここまで本格的にというか、丸々副音声を付けると、今度はこれ目当てでDVDを買おうという発想にもなりそうだ。

 副音声とは言いつつも、真面目に解説らしきことをしているというよりは、それこそ普通のお喋りのような感じになっている。ただ、本編と比べてみると、ややメタというか、設定がずれている所も見られ、それはそれで面白いかもしれない。本編との比較という点もそうだが、原作、或いはアニメ版の偽物語の進行具合との兼ね合いもあり、色々触れられていたり、いなかったりでこれも興味深い所だと思う。

名被害者・一条(仮名)の事件簿

名被害者・一条(仮名)の事件簿
山本弘
講談社
講談社ノベルス ヤP-01
2012年4月
ISBN: 978-4-06-182819-3
C0293
236ページ
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 登場人物に対して、(名)探偵という属性を与えたものは多々あるが、名被害者という属性を与えるという、発想は今まで見たことがなかった(もしかしたら、知らないだけで実はあるのかもしれないが)。その点では、非常に新しいし、面白いアイディアだと感じた。

 ただ、一つ残念なのはそれを上手く活かせてないようだということだ。この作者の作品を読むのは初めてなのでそもそもどういった作風なのか全く知らないが、このアイディアなら、余計なことはせずに、純粋にミステリ、あるいは、数理小説として、十分に勝負できるアイディアだったと思う。途中途中にはそういう雰囲気もあったが、最後の持っていき方は強引かつ、不必要で、もっと丁寧に練った方が良かったと思う。

2012年7月12日木曜日

Final Fantasy (PSP) 輸入版

Final Fantasy (PSP) 輸入版
Square Enix
2007
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 PSP版のFinal Fantasyの輸入版。

 何度かリメイクされているFinal Fantasy第1作のPSP版。たしかこちらの方がGBAやPSよりも後になるはずなので、一応現在出ている中では一番新しいものになるはず。(ただ、携帯やスマホ向けは確認してないのでわからないが)

 この輸入版と普通に国内で流通している版との違いは不明。とりあえず、説明書も含めて基本英語になっていることと、ボタン配置だけは違っている。

 英語に関しては、一応、メニューのコンフィグの言語もしくは、最初のときにキャンセルを押すか何かすることで、英語と日本語(カナ/漢字)の3択から選べる。英語のままでも特に困らないと言えば困らないが、会話とかだけでなく、日本語版と魔法の名称自体がそもそも違っていたり、どちらかというとそちらの方が気になるかもしれない。

 ボタンは、決定(Oボタン)とキャンセル(Xボタン)がデフォルトでは逆になっているので、やや違和感がある。こちらもメニューのコンフィグから変更可能。

 ということで、初期状態ではいくつか違いはあるようだが、どちらもコンフィグから変更可能なので、コストを考えると割と得になっていると思う。それ以外の点で、違いの有無は不明。

黒猫の接吻あるいは最終講義

黒猫の接吻あるいは最終講義
森晶麿
早川書房
早川書房 112348
2012年5月
ISBN: 978-4-15-209297-7
C0093
291ページ
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 シリーズ2作目。

 1作目が短編集だったのに対し、こちらは長編となっている。この手の作品で、最初の短編集は切れが良かったものの、長編になると中だるみしてしまい、がっかりな出来という作品は結構あるが、この作品に関しては、そういうこともなく、短編の良さをうまく生かしたまま、長編になった感じがした。その意味では、非常にうまくできていると思う。

 タイトルなどからは、これでシリーズ完結ともとれるようなところもあるが、ミステリマガジンにはまた、違う作品が掲載されているようなので(未確認)、すぐというわけにはいかないだろうが、そちらも楽しみに待ちたい。

機械探偵クリク・ロボット

機械探偵クリク・ロボット
カミ
高野優 訳
早川書房
ハヤカワミステリ 1837
2010年6月
ISBN: 978-4-15-001837-5
C0297
235ページ
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Krik-Robot, Détective-Á-Moteur
by Cami
1945, 1947
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 ユーモア・ミステリ。

 どうしても年代的に詰めが甘いというか、現代的な作品からするとイマイチなところが見られるし、途中の挿絵に代表されるように、全体的にふざけたような雰囲気はある。しかし、だからといって、ミステリ的な面に関しては、意外とちゃんとしているというか、一応つじつまが合うように書かれている。

 このシリーズは数がそもそもないようなので、次に期待というわけにはいかないが、たまにはこういうクラシックな作品を読んでみるのも良いかもしれない。

2012年7月4日水曜日

ウィズ・ユー 若槻調査事務所の事件ファイル

ウィズ・ユー 若槻調査事務所の事件ファイル
保科昌彦
東京創元社
ミステリ・フロンティア 59
2009年12月
ISBN: 978-4-488-01760-6
C0093
294ページ
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 なんとなく物足りなさを感じてしまう。

 ネット上の仮想空間とか、ネットゲームとか、ギミックとしてはそれなりにタイムリーなものを持ち込んでいると思うし、その辺りの野心的?な面は評価していいのだろうと思う。ただ、作品全体の印象として、最後まできれいに晴れ渡る感覚がないというか、事件が解決した後でさえも、何となく薄曇りのような感じが残ってしまう。ミステリ的な面も割と普通だし、そこら辺の強化と作品全体に漂う空気を変えるともっと魅力的なものになると思う。

空を飛ぶための三つの動機 THANATOS(=タナトス)

空を飛ぶための三つの動機 THANATOS(=タナトス)
汀こるもの
講談社
講談社ノベルス ミI-08
2011年11月5日 第1刷発行
ISBN: 978-4-06-182776-9
C0293
300ページ
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 結構久しぶりのシリーズ第6作目。

 これまでと若干様相を異にしている風もある今作ではあるが、その辺りの心配はほぼ一切なし。このシリーズの壊れっぷりと言うか、危ないところはキチンと今作でも味わえる。もう一つの完全犯罪研究部の方が多少おとなしめな分、こちらはずいぶん派手にやっている感じ。やはり時々こういうのも読まないと。

黒猫の遊歩あるいは美学講義

黒猫の遊歩あるいは美学講義
森晶麿
早川書房
2011年10月
ISBN: 978-4-15-209248-9
C0093
293ページ
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 ひさしぶりに当たりを引いた感じ。

 とてもきれいな短編集。こういった作品を賞に選定する辺りは、選ぶ側にセンスがあったということだろう。ただ、今の時代にどこまで受け入れられるかは未知数。読んでわかる人には非常に気に入るだろうし、合わない人には多分徹底的に合わない。自分が合う人間で良かったと思う。

科学的とはどういう意味か

科学的とはどういう意味か
森博嗣
幻冬舎
幻冬舎新書 219
2011年6月30日 第1刷発行
ISBN: 978-4-344-98220-8
C0295
197ページ
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 エッセイ集。

 読んでみると、非常に一貫しているというか、これまで書かれたエッセイと同じように森博嗣らしい内容になっている。それらは特別に目新しいことをいっている訳でもないし、また、奇抜な主張をしている訳でもないが、時々こういうのを読むのもいったんペースを元に戻すというか、いろいろなものをリセットするような感覚を持てるので非常にありがたい。