2013年2月24日日曜日

ローマ帽子の秘密

ローマ帽子の秘密
エラリー・クイーン
越前敏弥・青木創 訳
角川書店
角川文庫 ク 19-5
平成24年10月 初版発行
ISBN: 978-4-04-100256-8
C0197
495ページ
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The Roman Hat Mystery
by Ellery Queen
1929
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 国名シリーズ1作目の新訳。

 今更ながらの新訳。解説にもあるが、既存の翻訳書は翻訳の部分で誤訳などがあり、その辺りの不備を改善する、という意図もあったらしい。個人的には、「読者への挑戦状」があったからといって、特に推理しながら読むということもないので、大きな問題はなかったが、確かに昔読んだ(図書館で借りた結構前の)翻訳だと、日本語文から、ここは関係詞の文を訳しているのだな、といったことが分かるような訳文だったので、読み易さ、正確さ、という観点から訳が見直されているのは普通にありがたい。

 フェアかアンフェアかという、言ってみればややマニアの視点からの評価というのが多くなりそうだが、そういったことは抜きにしても非常に面白い本なので、より多くの人が読んでみてもいいのでは、と思う。『ローマ帽子』だけでなく、以降の作品の新訳も角川から出ているし、ドルリー・レーンのシリーズの方も角川から出ているようで、ひょっとすると本国以上に恵まれている環境を利用しない手はないと思う。ぜひ、途中でやめずに、いっそのこと全作新訳で出版くらいのことをやって欲しい。

ケモノガリ5

ケモノガリ5
東出祐一郎
小学館
ガガガ文庫 ガひ 1-7
2012年10月 初版第1刷発行
ISBN: 978-4-09-451371-4
C0193
295ページ
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 5巻。『4』の続き。

 前巻に続き、シリーズ初の前後編の後編、ローマ編の解決編。もうさすがにこの無茶苦茶感にも慣れ、ちょっとやそっとでは驚かなくなったこのごろ。終盤にやや意外な展開があるとはいえ、それもまあ、想定の範囲を大きく超える、という程のものではない。この巻の最大の特徴は、「クラブ」のことがこれまでより多く語られたことか。むしろ次巻以降への布石として大きな意味があるかもしれない。

無貌伝 〜探偵の証〜

無貌伝 〜探偵の証〜
望月守宮
講談社
講談社ノベルス モI-05
2012年10月 第1刷発行
ISBN: 978-4-06-182849-0
C0293
268ページ
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 シリーズ5作目。

 前作の連作短編集を受けての、その続きというか解決編。最後まで読んでみると、副題の「探偵の証」というのも絶妙だと思う。「探偵」とは何か。改めて考えてみると、なかなか難しい設問だ。

 次巻が最終巻ということらしいが、いったいどうなるのか、結末が読めない分、期待が大きい。ていうか、いったいどうするつもりなのだろう。このシリーズはなかなか読み応えがあったのでもったいない気もするが、楽しみに待ちたい。

2013年2月23日土曜日

微分と積分[新版] その思想と方法

微分と積分[新版] その思想と方法
遠山啓
日本評論社
日評数学選書
1970年2月 第1版第1刷発行
2001年7月 新版第1刷発行
ISBN: 4-535-60130-5
284ページ
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流石に名著といわれるだけあって、読んでみて色々と勉強になる本。微分、積分の教科書はそれこそ無数にあって、今更どうという期待も無く読み始めた本だが、結構基本的なところで目から鱗が落ちるような感覚を得た。単なる勉強不足なのか、これまで読んで来た教科書と違ったアプローチから説明しているところも幾つもあり、こういう考え方をしていたのか、と面白く読むことが出来た。初学者が読むよりも、一度勉強した人が改めて読んでみるほうが効用が大きいのではないかという本。

 ただ一つ古い、という点だけは注意がいると思う。大体のところは問題無く読めるが。三角関数の微分の辺りは少し厳しい。sin、cos、tanに加えて、cot、sec、cosecまで出てくる。いつ頃まで、後者の三角比が教えられていたかは知らないが、これらの微分、積分を自在に使えない世代にとっては、結構きついと思う。

マクロ経済学のナビゲーター(第3版)

マクロ経済学のナビゲーター(第3版)
脇田成
日本評論社
2012年2月 第3版第1刷発行
ISBN: 978-4-535-55672-0
C3033
263ページ
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 学部でやるマクロ経済学の内容がまとまって書かれている。古典派とケインジアンとでどういう前提で考え、どういう結果を得ているのか、対比しながら書かれているため、考えを整理し易い。また、現実の政策に対しての考え方、コメントが豊富にあり、現実の経済とのつながり、という点でも使い易い本だと思う。文体は、いわゆる教科書的なそれではなく、先生と生徒の対話形式で全編進むため、その点も、読み易くしている一つの要因だと思う。

 他方で、かなりのボリュームを少ないページ数の中に収めているため、時に説明不足であったり、理論の飛躍がある。そのため、独力で進めるというよりは、他の教科書で勉強した内容を整理する、あるいは授業を受けつつ参考書として使うのが良いのではと思う。

 1点、不満があるのは、参考文献についての扱いだ。本文中に言及されている情報、著者名や年代などから当該の論文を見つけることも不可能ではないが、巻末などにまとめてリストとしてのせておいて欲しい。

2013年2月21日木曜日

インキャビネット ルイン

インキャビネット ルイン
不二貿易
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 これまでは机の周りはなるだけシンプルに、という方針で来たが、流石にものが増えすぎた。プリントアウトしたものから、Amazonのダンボールから積んであって、いい加減邪魔なので、方針変更。とはいえ、机の周囲に十分なスペースはないので、取れる手は限られている。強度的にどの程度まで大丈夫かわからないので、全部入れる(のせる)ことは出来ないだろうが、幾らかはマシにはなると思う。

 こういったオフィス家具の相場がどれくらいかイマイチ分からない。コクヨのホームページとかカタログを見ると、普通に5、6万円からしかなさそうなのだが、そんなものなのだろうか。こういう値段を見ると、アマゾンやら、楽天やらで1〜2万円で売っているものが怖くなってくるのだけれど。

2013年2月12日火曜日

灼眼のシャナXXII

灼眼のシャナXXII
高橋弥七郎
アスキー・メディアワークス
電撃文庫 た-14-28
2011年
ISBN: 978-4-04-8709606
C0193
409ページ
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 完結巻。

 第1巻が2002年の刊行なので、約9年かけての完結。最後の締め方としては、きれいにまとまったと見ることも出来るし、もっと他の終わり方もあったのではないかという気もする。物語に関わった全員に取ってのハッピーエンドというのは難しいだろうが、それでもできればそうあって欲しいという風に思ってしまう。

 シリーズを一通り読んできての感想としては、序盤から中盤にかけてが一番面白かったように思う。最初期の頃は、おそらく評価も定まっておらず、その辺のラノベとかわらない部分、無駄の部分も結構あり、鬱陶しい。中盤以降は、やや中だるみというか、テンポが遅い。決して無駄な描写ではない、必要な事だとは分かっていても、そのテンポが気になってしまった。使っている日本語など、技術レベルは高いと思うので、また次に期待したい。