2009年7月9日

MORI LOG ACADEMY 12 モリログ・アカデミィ12 たそがれの天職

MORI LOG ACADEMY 12 モリログ・アカデミィ12 たそがれの天職
森博嗣
メディアファクトリー
2008年12月28日 初版第1刷発行
ISBN:978-4-8401-2623-6 C0195
368ページ
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 ブログ書籍化第12巻。ラストから2冊目。

 今回も、ブログ+対談ということで、次の13巻と同じつくり。最後の2冊だけ読む順番が逆になってしまったが、基本的にブログをリアルタイムで読んでいたので、これといった影響はなし。違っているのは巻末に対談が載っていることと、ブログのときと違い学科ごとに分かれていること。

 個人的には、学科ごとに分かれているよりも、ブログのときのように、HR+学科の組合せのほうが読みやすく感じた。単なる慣れの問題かもしれないが、その方が一定のペースでいけるせいかもしれない。

 対談を読んでみて、当たり前のことだが、今まで自分が見てきた、というか、見たつもりになっていたものが、全体の内の極々一部でしかない、あるいは、まったく誤解していたように感じた。まあ、だからといって何が変わるわけでもないが、ああ、なるほどという感じ。

2009年7月8日

地団駄は島根で踏め 行って・見て・触れる《語源の旅》

地団駄は島根で踏め 行って・見て・触れる《語源の旅》
わぐりたかし
光文社
光文社新書 395
2009年3月20日 初版1刷発行
978-4-334-03498-6 C0281
326ページ
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 扱っているテーマとしては非常に面白いと思う。これらの言葉は日常生活に深く結びついているものだし、と同時に、多くの場合、その語源についての知識はほとんど知らないでいるし。

 ただ、この本を読んでみての印象としては、どうしても不満が残る。テーマとしては面白い。書かれている内容も、自分では知らなかったことばかり。取り上げられている言葉も数が多い。しかし、一つ一つの言葉を扱っている分量がどうにも少ないように思う。これは、数多くの言葉を載せていることの、裏返しでもあるだろうし、また、雑誌に連載していたらしいときの名残でもあるだろうけれど、非常に物足りない。どうせなら、もっと読み応えのあるものが欲しかった。

 また、全編を通じてのパターンというかフォーマットが同じであるため、どの言葉についての文章もワンパターンのように見えてしまっていたように感じた。全体的にもうちょっとなんとかして欲しいという感じ。

2009年6月30日

MORI LOG ACADEMY 13 モリログ・アカデミィ13 ウは宇宙のウ

MORI LOG ACADEMY 13 モリログ・アカデミィ13 ウは宇宙のウ
森博嗣
メディアファクトリー
2009年3月31日 初版第1刷発行
ISBN:978-4-8401-2754-7 C0195
399ページ
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 ブログ「MORI LOG ACADEMY」の書籍化の最終第13巻。

 11巻までは,順番通りに読めたが、最後12と13が逆になってしまった。とはいえ、影響は殆どなし。そもそも、時事ねたがメイントピックというわけではないし、ブログで毎日読んでいるときは、本には数ヶ月ずれていたわけだし。

 巻末に萩尾望都氏との対談の様子が載っているが、「トーマの心臓」という作品も読んだことがないし、ほかの作品も読んだことがないのであまりよくわからないというのが正直なところ。多分、当時の少年漫画誌というのが、あまり、コンテンツ的に魅力的でなかったというか、作品の傾向に偏りがあったのかな、という位。今後読んでみてみるのかも未定。

 ブログが終了して、一番きになるのは、毎日安定し水準のコンテンツを書いている人というのが本当に少ない、というか、いないということ。不規則だったり、いまいち、自分に合わなかったり、ということが多いので、貴重だったな、と。特に、この人の作品を読んでいると、自分に近い種類の人間のようだったし。残念。まあ、まだしばらくは作家を続けるようなので大丈夫か。

 そういえば、Bradburyのあの作品のタイトルはこれなのか、それとも、太陽の黄金のりんごなのか、両方あるみたいだが、どちらだろう。個人的には「霧笛」がすきだが。

2009年6月24日

クラウドソーシング みんなのパワーが世界を動かす

クラウドソーシング みんなのパワーが世界を動かす
ジェフ・ハウ
中島由華 訳
早川書房
ハヤカワ新書juice 001
2009年5月20日 初版印刷 /2009年5月25日 初版発行
ISBN:978-4-15-320001-2 C0234
421ページ
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Crowdsourcing -Why the Power of the Crowd is Driving the Future of Business
by Jeff Howe
2008
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 「ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ新書juice)」と同じく、早川新書juiceの1冊。

 こちらは、クラウドソーシングという言葉の生みの親である著者がクラウドソーシングという方法?、システム?によって大きな成功を収めた企業を取材し、紹介している本。もちろん、成功している企業の影で、失敗している企業もそれ以上にたくさん存在しているはずだが、成功しているタイプにもいろいろあって、非常に興味深い。

 上手くいっている例の特徴として、群集に何かをさせるというよりも、そのための場、プラットフォームを提供し、後は群衆に任せ、企業はそれを上手くコントロールあるいは、コーディネイトしていく、というのが多いようで、これは、日本政府が良く採る政策の真逆で、さもありなんという感じ。

 成功した企業の中には本当に単純なアイディアで大きな成功を達成しているところも少なくないようで、いろいろと示唆に富んでいるというか参考にすべき点は多いと思う。少しは見習っていもいいと思うが、多分大企業ほどしないだろうとも思う。残念。

2009年6月19日

誰の死体?

誰の死体?
ドロシー・L・セイヤーズ
浅羽莢子 訳
東京創元社
創元推理文庫 M-セ-1-2 183-02
1993年9月24日 初版 /1993年11月12日 再版
ISBN:4-488-18302-6 C0197
287ページ
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Whose Body?
by Dorothy L. Sayers
1923
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 ドロシー・L・セイヤーズによる、ピーター・ウィムジイ卿の長編第1作。

 今まで、セイヤーズの本は読んでこなかったが、読んでみると、思っている以上に読みやすかった。最近の本のように、必要以上に複雑にしてひっくり返したりしていないという点もその一員だと思う。

 また、クリスティなど同時代の作家の本と比べてみて印象的なのは、ピーター卿の使用人らに対する態度がある。これまで読んだ中では、使用人やあるいは一般的な市民に対して、ここまでフレンドリーというか、普通に接している貴族の姿というのは、ほとんど読んだ記憶がなかったので、そのあたりも興味深かった。

2009年6月18日

なぜ世界は不況に陥ったのか ―集中講義・金融危機と経済学

なぜ世界は不況に陥ったのか ―集中講義・金融危機と経済学
池尾和人/池田信夫
日経BP社
2009年3月2日 第1版第1刷発行 /2009年3月12日 第1版第3刷発行
ISBN:978-4-8222-4723-2 C0033
301ページ
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 サブプライムローン問題に端を発する今回の一連の金融危機に対して、経済学的な分析を書いた本。

 この本の中で述べられている内容については、すべて同意できるわけではないが、今回の経済危機において、日本経済がアメリカの問題に巻き込まれただけというわけではなく、構造的に成長率が低下しているというような類の話は、確かにそうだと思うところも割とあったと思う。

 この本のプラスに評価すべきところとしては、割と早い時期に出たというあたりだとか、きちんと経済理論を理解したうえで、それを基に話を進めている点だと思う。

 一方で、金融関連の用語など必ずしもすべての読者がそれらに通じているわけではないという所も考慮してほしいと思う。巻末に用語一覧が付いているものの、読みながらいちいちそれを参照するのは面倒だし、今回の金融危機は、金融業に携わる一部の人の問題というより、もっと多くの人にとって重要な問題なのだから、読者を自ら限定するようなつくりになっているというのは、読む側にとっても、或いは出版者的にもマイナスだと思う。

 また、折角二人の経済学者が話をしているのだから、もっとその形を活かすような作り方をしてもよかったと思う。すなわち、例えばベッカー&ポズナーのように、お互いが同様専門的な立場から意見を言っているのかなどを明確にしたうえでの議論をしたりするなどの工夫があってもよかったと思う。もちろん、本文でも、それぞれが自らの専門分野について説明をする場面はあったが、それ以外の場面では、お互いがすでにその結論を知ったうえで話をしているというか、仮にせりふを逆にしたとしても特に問題なく読めてしまうように感じた箇所が多かった。もっと、本のコンセプトというか、工夫があってもいいと思った。

2009年6月16日

ミスマルカ興国物語IV

ミスマルカ興国物語IV
林トモアキ
角川書店
角川スニーカー文庫 S150-23
平成21年5月1日 初版発行
ISBN:978-4-04-426619-6 C0193
298ページ
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 シリーズ4作目。

 前2作と同様、紋章の情報を基に他国に出かけていき、そこで(トラブルに巻き込まれつつ)紋章を探す、というパターン。

 最後のあとがきの部分に漫画化の情報があるが、この作品のように主人公が簡単に服を脱ぐような作品の場合、アニメ化のときの障害になるような気がする。特に、角川とかメディアワークスあたりは、その辺、力を入れているようだから、どうするのか。作者もわかってそれをしているとは思うが、どう処理するか、少し興味がある。

 ストーリー全体としては、物語全体にも影響を及ぼしそうな情報も出てきたりと、少しずつ先が見えてきたというか、全体の輪郭が定まりつつあるような感じ。しかし、この作品に登場する人物は権謀術数をめぐらすというか、腹黒い人物が多過ぎる感じがする。