Chrome Closed Clonicle 3 -クロム・クローズド・クロニクル-
日下弘文
富士見書房
ファンタジア文庫 く-2 1-3
平成22年11月25日 初版発行
ISBN: 978-4-8291-3587-7
C0193
342ページ
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約9ヶ月ぶりの第3巻。シリーズ完結巻。
一言で言ってしまえば、勿体ない、残念というというのが第一印象だ。1巻で提示された極限状態の世界とそこに生きる主人公たちは、登場人物たちが軽い点が気になったものの、その極限さ故に、物語世界としては非常に魅力的なものだという印象を受けた。2巻では、一歩ずつ進んでいけば良い所を、新キャラの登場、あるいは物語の展開等、一気に5歩も6歩も進んだように見えた。この辺りの性急さは、ライトノベルである以上、仕方がないものと考えていたが、3巻の状況を踏まえてもう一度考えてみると、2巻の段階で今回のような終わり方は既に半分以上見えていた気もする。
どういう形で物語を終わらせるか、というのは重要であると同時に、非常に難しいものでもあると思う。この3巻についていえば、「連載打ち切りが数週間後に決まっている少年漫画」的な展開そのままといえる。つまり、ただひたすらエンディングに向かって突き進んでいく展開。
この世界観には期待も大きかっただけに、この展開、終局には非常にがっかりした。完全に戦略、あるいはマーケティングミスだろう。そもそもこのタイプの小説はいわゆるライトノベルとしては、異質だろうと思う。だから、その段階でそれほど売れるものでないことは予測出来る。したがって、その時点である程度覚悟を決めて、じっくりと進めていくことを選択するか、あるいは、きちんとSFで勝負出来るような作品に仕上げて、そちらで勝負した方が良かったと思う。この種の設定なら、むしろSF読者の方がなじみがあるだろうし。
ついでに、2巻の時も感じたことだが、イラストの質がイマイチだと思う。これならば、無理にイラストを入れるよりも、読む側の想像力にまかせてしまった方がいい。このあたりも詰めが甘いというか、全体的にもう一歩な感じが残ってしまう。次のシリーズでは、きちんと完成度の高い作品を期待したい。
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